第11話 クエスト
「あら、久しぶりですねアルヤさん!」
ギルドにクエストを受けに行くと、受付嬢のミユさんに出くわした。
「お久しぶりです。ミユさん」
「私の事覚えててくださったんですね!今日はどうしましたか?私にデートのお誘いですか!?いやん、こんなところでなんて照れるじゃないですか、、、!」
ミユさんは自分の頬に手を当てて腰をくねくねさせている。
「いや、、デートのお誘いで来たわけじゃないんですけど、、、」
「そうなんですか、、、」
ミユさんはシュンとして落ち込んでいる。
ちょっと可愛い、根は凄くいい人だから早く結婚相手見つかれば良いなあと心の中で応援しとこう。
「じゃあ、何しにギルドまで来たんですか、、」
ちょっと涙目で問いかける姿は心に来るものがあった。
「えっと、、クエストを受けようかなって思って」
「クエストですか、、それならあっちの掲示板に貼ってあります、、、。」
そういってとぼとぼと自分の持ち場に帰っていった。
うーーーん。今度食事くらいは誘って一緒に行ってあげよう、何だかかわいそうに思えてきた。
掲示板にはたくさんのクエストが貼られていた。
「薬草採取に落とし物捜し、、、、うーーーん。」
あんまりモンスターと戦うクエストはないのかな、、、
「まあここはかなり初心者向けの街だからモンスター退治が少ないのも当然かもね~」
「レイ!その姿でしゃべるなっていっただろ!」
俺の腕に抱きかかえられている猫の姿のレイに注意する。
その姿で話したら、精霊だとばれる恐れがあるからだ。
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「待って、ここから帰る前に少し話しておかないといけないことがあるわ」
「何だよミオ。そんなに改まって。」
「あまり人前でレイが精霊であることがばれないようにしなさい。」
「どうしてだ?」
「精霊の力は扱える人が使えば強力なものになる。当然悪用している人も中には居るわ。もしレイが精霊だとばれればアルヤとレイが命の危険に晒される恐れがあるの。」
「それは嫌だな。わかった、なるべくばれないようにするよ。」
「ええ、レイは結構抜けているところがあるから、しっかり面倒みてあげて、、、頼んだわよ」
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ということをあの場所を離れる前にミオから言われたのだ。
「もし話すなら人の姿で話せって」
「もう、アルヤは我が儘なんだから。そんなに私の体が見たいの~?」
「そういうことじゃない!」
少し声を大きくツッコミをいれてしまって、近くに居た数人に変な目で見られてしまった。
せっかく小声で話していたのに、、、
「ほら、これはどう?モンスターの群れの退治。これならアルヤにちょうど良いんじゃない?」
「ん?これか、、、」
ゴブリンの群れの退治、適正レベルはレベル7。場所は、いつもより少し離れた洞窟か。
たしかにちょうど良い。
「よし、これにするか」
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