第10話 スキル2

「まずは使ってみるか。」




俺は次の日、昨日と同じダンジョンに来て、スキルの調子を確かめてみた。




「最初は炎刃だな。なあレイこれってどうやったらスキルの発動出来るんだ?」




「普通に頭でこのスキルを使うって念じるだけだよ?常時発動してるパーソナルスキルっていうのもあるけど昨日とった二つはパーソナルスキルじゃないからね。」




俺の隣で人間の姿になっているレイが教えてくれる。


昨日散々リュックの中で散々な目に遭っていたのか、今日はおとなしく最初から人間の姿で俺の隣に陣取っている。




「おっけい!」




俺は心の中で炎刃と唱えた。


すると、俺が持っていた剣が炎を纏った。




「おお~ほんとに使えた!」




このまま、出てきたスライムを斬るとあっと言う間に倒すことが出来た。




剣の威力も高くなってるのか、、、




「次は炎弾だな」




同じようにまた心の中で炎弾と唱える。


すると今度は火の球が浮かび上がった。




「おお、、、!」


感動した。まさか俺が魔法を撃てるようになるなんて、、、!




感慨に耽っていたら、火の球が消えてなくなってしまった。




「え!?」


もしかしてもうつかえなくなったのか、、、、




「火の球浮かべてるだけで終わってたら何の意味もないじゃんか、、。魔法には効果時間があるの。それが切れたら魔法は消えてなくなるよ、、、」




レイは半分呆れながら俺を見ていた。




いやだってしょうがないじゃん、、初めてだし知らなかったんだもん。


って感じの目でレイを見てると冷たい視線を返された。泣きたい。




次は効果時間内に何とかしようと、モンスターが出てきてから炎弾を使って敵を倒すことが出来た。


何度かやってみると炎刃は20秒、炎弾は30秒の効果時間って事が分かった。


ただ、レイによるとレベルやスキルの習熟度によって効果時間は伸びるから、これが最低の効果時間って思っとくと良いよ、だそうだ。




しかし、このスキルで戦いやすくなったのは事実だ。


このスキルを使ってどんどんレベルをあげてやる!






そう思ったが、なかなか上手くはいかなかった。


レベルが上がった分、ここのダンジョンじゃ敵が弱くなり、なかなか次のレベルに上がらなくなったのだ。


そしてそれよりも深刻だったのが、何日も宿に泊まり、俺やレイの飯代、ポーションその他回復道具、いろいろな雑費でお金が底を尽きそうだったのだ。




「なあレイ、冒険者ってどうやってお金を稼いでるんだ?商売とかをしているわけじゃないし、、」


村に居たときは、野菜や肉を売って両親は生活をしていたが、冒険者になったいま、農業に時間を割く暇はない。


「そうだな~。冒険者は各街のギルドにあるクエストをこなして報奨金をギルドからもらって稼いで居る人が多いね~」


「クエストか、、、」


さっそく明日、クエストを受けに行ってみよう。

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