地獄それは明快?

バブみ道日丿宮組

お題:清い冥界 制限時間:15分

「いやぁ……地獄って凄いんだね」

 車に跳ねられたかと思えば、真っ暗な世界にいた。

 提灯の光があるのは幸いかもしれない。

 今いるのは狭い通路のようだ。一般男性が両手を広げられないくらいには狭い。

 登道と下り道が後ろと前にある。

「そもそもここって地獄なのか?」

 天国にいけないことは知ってるが、ここには地獄のような禍々しさはない。

 ほら、地獄って血も涙もない拷問ばかりがあるところだって、物語で言われてるしさ。

「降りてみるか」

 足腰にくるかもしれないし。

 歩きながら考える。

 ここはどこで、俺は誰ってことはないが転生とかしちゃったのかとか。

 持ち物を確認。

 ポッケにしまった財布とスマホはある。

 服もきてる。ぱんつもおそらくあるだろう。

 食欲はある。性欲もある。おそらくトイレにも行きたくなる。

 途中にトイレがあるようには思えないが、

「我慢してもなぁ」

 身体に悪いだけだ。

 数十分が経過すると、広いエリアにでた。

 正方形に切り取られたかのような場所だった。

 その中心点には、斧が刺さってた。

「ボスか?」

 深呼吸して侵入。

 トラップ発動ということもなく、ボスが出現することもなく。

「なんだよ」

 斧がある場所に近づけた。

 聖剣が刺さる作品はあるが、斧が刺さってるのはあまり聞いたことがない。

 というか、地獄に斧とか……グロい気がする。

 手に取ってみよう。

 さわり心地は自転車のハンドルを握るような感じだった。

「おっ、おぉ……?」

 斧は簡単に抜けた。

 振り回すことも簡単だった。

 筋力があがってるのか? それともこの斧が見た目以上に軽いとか?

 入ってきた通路に戻り、斧を振り下ろした。

「んなあああ」

 ピカッとすると、トラックぐらいの大きさの穴ができた。

 これは斧の能力なのか、重いからそうなったのか。

「わかんねぇ」

 判別できない。

 この斧で自衛できるかわからないけれど、持ってくことにした。

 正方形のエリアの先にも通路がある。

 もしかしたら、なにかわかるかもしれない。

 そう思って、数時間。

 通路は永遠と続いてた。

 途中放尿したり休んだりしたが、景色はまるで変わらない。

 ここはそういう地獄だったりするのか?

 じゃぁ、正方形のエリアはなんだったのか。

「戻ってみるか」

 数時間かけた道を戻るのは、かなり苦痛なような気がしたがなんと数分でたどり着くことができた。

「なんなんだよ」

 正方形のエリアを確認してみるとーー。 

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地獄それは明快? バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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