第一部 了
数日後、事務所内にて
2Fの自室にアラームが鳴り響く、
朝よ起きなさい、朝よ起きなさい、朝よ起きなさい、あさ
暗羅様のボイスを録音させて頂いた目覚まし時計で目を覚ます。
まだ重い頭を引きずりながら、決死の思いでベッドから抜け出し、
机にに置いてある目覚まし時計のボタンを押して止める。
ついでに横に置いてあったチョコの箱から個包装を取り出し、一つ口に含む。
(うーん、脳内にしみわたるなあ)
頭に糖分というガソリンが入り、少し頭が覚醒してきた。
そのまま体をふらつかせながら洗面台へと向かう。鏡で暗い男と対面しながら歯を磨き終えた。
水の冷たさと磨いて口がすっきりしたことにより、大分、頭がはっきりしてくる。
「ふーー」
2Fにあるリビングへと向かいドアを開けるとテーブルには胡椒がかけられたおいしそうなベーコンエッグと彩り豊かな野菜が並べられていた。
「おはようございますマガツさん、朝食を作っておきましたよ」
「おはようルーティ、ありがとう早速いただくよ」
席へと着いて箸を手に取り食事をとり始める。
「ルーティは料理が上手だよね」
「そんな、普通の料理ですよ、誰にだって作れますよ」
「いや、僕が同じ食材、調理方法でもこうおいしくはできないね」
「え~本当ですか?」
僕は他愛もない会話を続けながらTVに目を向けるといつもと変わり映えのないニュースが流れていた。
何も考えずぼんやり見続けていたが、
「今更だけどさ、良かったの…?」
そう切り出した。何故ルーティが朝の四凶事務所のいるのかと言うと、暴威の事件でルーティは血液を献上する暗羅様の配下となった。
彼女の血液は特別なもので暗羅様はそれを手に入れたかったのだ。(詳しくは教えていただけなかったが、恐らく彼女の家系が特別な血脈なのだろうと僕は予測している)
その管理は僕に一任されてたため当初は自宅から定期的に相談所に通い血を献上してもらおうと考えていたが、
「私も相談所の一員としてここで一緒に働かせてください!」
と強い希望もあり、アルバイトという形で住み込みでここで寝泊まりし、学校に行く前と放課後に家事などを引き受けてもらっている。
今の保護者である叔父の許可は以外にもあっさりもらえたらしい(それはそれで家族関係が心配だけど)
とにかくこうして一緒に相談所で暮らすこととなっていた。
「?何のことですか?」
「その…暗羅様…との契約のこと…僕を助けるために……、結局ペンダントも暴威ごと破壊してしまっていたみたいだし…」
「もうっそんな言い方しないでくださいよ!それにマガツさんのせいなわけがありません」
「いやいや…どう考えても」
「違います、いつだって私は私が後悔しない選択を選んでいるだけです。誰かのためでなく、自分の為、自分の最良を考えて私は決断してきました。今までもこれからだって。依頼は継続中です、ならこの相談所で働いていた方が都合がいいです。ヒューミリエさんも協力を約束してくれましたし」
「自分が配下、いや食べ物扱いされてもいいのかい?…僕が何とか暗羅様と交渉して」
「いいですってば。大丈夫ですよ、だってマガツさんの大切な人なんだから悪い人のわけがありません」
(それはどうだろうか…)
何とも言えない。
「それに、何かあってもマガツさんが守ってくれるって信じてますから」
自信は持てない、持てないが僕は精一杯の勇気を振り絞り自信があるように振る舞おう。
「そうだね約束するよ、君は僕が守ろう」
新しく、四凶相談事務所に新しい仲間が増えた。きっと今までより賑やかに明るくなっていくはずだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お待たせして申し訳ございません。これで一部完となります。
2章に入る前に間章で小さな事件の話を更新していきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます