12話 見回り 不意打ち
男達はいつもどおり、工場の周辺を見回っていた。
「はああ、どうせここに攻め込んでくるような奴はいないってのによー、暴威さんは心配性だぜ」
2人体制で見回っていたもう一人が言う。
「馬鹿、誰かに聞かれるぞ」
それで暴威さんにチクられたら俺まで罰を受けさせられる。
「10人やられてんだぜ、暴威さんも不安になるって」
仕方ないのでたしなめてやる。
「へへ、オレ達は新型の魔薬を手に入れたんだぜ、更に強くなったんだ、誰が来ても負けるわけねーだろお」
「まあな、暴威さんについてきといてよかったぜ。あの人が頭を回るし、コネづくりも上手い、警察が俺たちを捕まえられないのも、警察に賄賂きかせてるからって話も聞いたぞ」
「ああ、暴威さんにはおいしい思いさせてもらっているからなオレも文句はねーよ、ただ一々見回りするのがめんどくせー」
それは文句じゃないのか?と疑問に思うが黙っておく
ライトをつけているが周囲は暗く、視界は見づらい。
見回り自体はずっと前から行っているが、数日前からは頻度や見回る範囲が増えていた。
このへんは廃墟が多く、襲撃者は来なくてもその辺から快楽型の狂った魔薬ジャンキーか突然発生の妖が出てこないか怖かったが連れの手前、表にはださない。
「しかし、馬鹿な奴らもいたもんだな、どうせオレ達を恨んだ奴が仕掛けてきたんだろうが、一度痛い目を見たのにこりないのかねえ。」
まだ口が続く。
「馬鹿だから学習できないんだろ。それにその馬鹿じゃなく10人やられたってことはプロも絡んでる。」
「プロ、プロね、まあ俺たち巣美巣暴威の敵じゃないと思うがな」
へらへら笑いながら言う。
「オレ達を恨んで仕返しにきてんのは誰かな、身代金とって人質も解放してやらなかったあの社長かな、ショバ代拒否ったから店ぶっ壊してやった男かな、それとも何か高そうなペンダントぼこって奪ってやったパツ金の巨乳かな~」
「できれば最後の巨乳がいいかな、捕まえた後、色々楽しめる。」
想像して興奮してきてしまう。
「その場合は確かに生け捕りだな。」
「っと定時連絡の時間だぞ、他の見回り組に連絡しろ」
「へいへい、めんどいな」
男は携帯を取り出し連絡をとる。
「あれっ繋がらねーぞ?」
「マジで?さぼってんじゃない?」
「はあ!許せねーな!見つけ出して殴ってやろうか」
一人で騒いでいる。
しかし、連絡がつかないとはな。
まさかとは思うが一応暴威さんに伝えようか?
嫌でもただのサボりだったら俺までとばっちり受けるかも…
パスっ
どさ
??
「おいどうした?」
男が一人怒っていた仲間の方を見ようとすると
ザクッ
「!!ん!」
何だ声がでない?
ザクザクザク
痛い痛い痛い痛い痛い
どさっ
あれっなんかちからがはいらない
いたいないたい病院、ケガ、誰か、誰か
男は事態を理解する前に意識を失った。
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