第7話
前世を思い出して今日が初登校ね。
ちゃんと今世の記憶もあるから変わらず過ごせると思うのよね。
父と母はいつものように見送ってくれる。
「また何かされたら絶っ対に!報告するんだよ?」
「任せて下さい。シアから目を離しません。」
兄よ先に答えるのね!
「大丈夫ですわ。お兄様がいて下さるもの」
嬉しそうな顔で頷く兄!今日も可愛いわ!
馬車に乗り込んで出発だ~
「「行ってきます」」
1年A クラスまでは兄が付き添ってくれたの。イケメン兄の登場に黄色い声が上がるわ。
友人のユリアとイザベラが駆け寄ってくる。
「おはようございます。アルフレッド様、アリシア」
「アリシア大丈夫なの?」と心配もしてくれる。
「大丈夫よ」笑顔で答えるわ。
「ユリア嬢、イザベラ嬢おはよう。シアのことよろしく頼む」
2人に頼むと、わたくしの頭を撫でて自分の教室に向かった。
また、黄色い声が・・・
「何があったの?」
「朝来たらちょっと噂になっているわよ」
ユリアとイザベラは小声で聞いてきた。
「長くなるから昼食の時に話すわ」とその場での会話は終わらせた。誰が聞いているか分からないものね。
午前の授業は滞りなく終わったわ。
やっぱり学力も大丈夫そうね。
食堂で軽食を用意してもらって3人で中庭の端にあるガゼボに行ったの。
まず、食事を終わらせてお茶をしながらあの日の事を彼女達に話す「もう!許せないわ!」「そんな事までするなんて」と憤慨してくれたわ。
「大丈夫よ。わたくしもう黙ってないわ。自分の身は自分で守らないとね」
同時に2人が目を瞬きすると、そうよ!その通りよ!アリシア強くなったわね。と・・・
噂になっているぐらいなら、暫くは絡んでこないだろうと、とりあえず1人にはならない事を決めてランチタイムは終わったの。
教室に戻ろうとした時、カイトが話しかけてきた。
カイトは同じ公爵家だから、小さい頃から顔を合わせることが多かったのだけど今世のわたくしは苦手だったのよね。
「おい!聞いてるのか!」ね、すぐ怒る。
「ご機嫌よう。何かしら?」
「痛めた手は大丈夫なのか?」痛めた手を振ってニッコリ笑顔だけを見せる。
「おい!返事ぐらいしろ!」また怒鳴る。
「わたくし、大きな声で怒鳴る方は嫌いなので失礼します。」はっきり言ってやったわ。
「き、嫌いだと?」
カイトは呆然と立ち竦んでいる。
その間にさっさとこの場から離れるわよ。
ふん!
気は短いし、怒鳴る人を好きな人なんかいないわよ!
今世のわたくしはカイトに嫌われていると思っていたけど、今ならわかるわ!
わたくしが!カイトを嫌いなのよ!
わたくしは兄のような優しい人が好きなんだからね。
ユリアとイザベラが後ろで拍手してる。
その調子よ!アリシア頑張って!2人に応援されちゃったわ。
この日何事もなく、兄の迎えで帰宅したの。
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