第29話神々は怪物に必殺技をぶつける
「おかしい、あまりに変じゃ、ありえないぞ!
やい!黒い立方体◾️!お前がなにやったのか?」
黒い立方体◾️は、ふわふわ浮いているだけで、何の反応もしなかった。
「いや、あたしが見ていたけど、この黒い立方体◾️は、見ていただけで何もしていなかったわよ。
何か聞いてもしゃべる感じじゃなさそうね、これ。
それより、おもちゃ箱自体が壊れ始めているわよ。
あのヘンテコなモンスターのせいで!
こっちの世界と繋がって、混ざり始めているのかしら?」
「あんなモンスター、わしは創った覚えがないぞ。
のっぺらぼうで、脚が6本と4本の翼が生えた姿をしておるな。
しかし、大きいな。
博物図書館を飲み込んでから、その何倍にも膨れ上がったぞ。
青黒い霧と水を常に全身から吹き出しておる。
ベースは、渾沌なんじゃろうか。
姿は、帝江に似るが。
なんでもいいわい!こいつをコントンと名付けよう。
むぅ、やはり、わしの力の影響を受けないな。
水を大量に吹き出しているのは、なぜなんじゃ?
とてつもない量じゃ!
お、リムバちゃんが反応したぞ。
やばいな、赤く光っているか。
あれは、対象物を即消滅させるモードじゃな。
怖い怖い。
どれ、様子を見てみるか」
「いけいけーーー!!
あたしの可愛いリムバちゃん!
やっちまいな!
わざわざ、人類が喜ぶアダムスキー型にしてあるよ!
あ、ちょっと!
あぁぁぁ」
「あっはははは!
リムバちゃん、あっという間に飲み込まれてしまったな。
これは、敵ながら天晴じゃ!」
「何喜んでるのよ!
さぁ、もう行くわよ。
直接見に行きましょう!」
「さてさて。
それもそうじゃな。
ここまできたらしょうがないわい」
黒い立方体◾️もするすると、2人の神々に続いておもちゃ箱の中に入って行った。
2人の神々は、暗がりの国の上空にやってきた。
コントンは、暗がりの城を飲み込んで大暴れしていた。
「お!黒い立方体◾️め、コントンの中に入っていったぞ。
どういうことじゃ?
わしらとおもちゃ箱に入りたかったのか?
むしろ、わしらがここに誘き出された?」
「あたし、だんだんわかってきたわよ。
ねぇ、宇宙はいつ始まって、終わったと思う?
もしかしたら、隕石が現れたあたりで、あたしたちが作ってきた宇宙は、もしかしたら、終わってしまっていたのかも。
そして、今から新しい宇宙が始まる。
あたしたちは、招かれたのかもよ?
あの黒い立方体◾️の正体、だんだん見当がついてきたわ。
もしかしたら、あたしを生み出した存在かもしれない。
あたしたちより上位の神なら、どう?
黒い立方体◾️が時間も行き来できるなら、充分ありえる。
これから生まれるから、姿を隠しているのかも。
そして、始まりにして、終わりの時。
終わりにして、始まりの時なのかも」
すると、大きな変化がおこった。
コントンは、身体から青黒い煙のようなものが吹き出して、さらに巨大化して、元気いっぱいになった。
見上げると、空には巨大な隕石が見えた。
太陽を隠して、日食のように暗くなっていった。
2人の神々は、それを見て、更に驚いた。
「隕石がこんなにも大きく?!
どうしておもちゃ箱の中から見えるんじゃ?!
こ、これは、もう賭け事などしている場合ではないぞ。
コントン、やばすぎるな。
まず、こいつをなんとかしなくては」
「あ、ちょっと、あたしの話聞いてた?
また散らかるじゃない!
この地球、壊れるわよ!
別にいいけど」
コントンは、どんどん大量の水を吐き出している。
海面が上昇し、こんとん島は水没してしまいそうだ。
大穴から、水が溢れ出している。
創造の神は、は太陽の炎のプロミネンスをぶつけてみたり、山のような氷のかたまりをぶつけたりした。
しかし、コントンは、島の北西にぶっ飛んだり、北東にジャンプしたりするが平気だ。
そもそもその攻撃で、この地球そのものが壊れてしまうような規模だった。
しかし、いかなる攻撃もケロリとしている。
さらに大きくなって、コントン山の大きさに匹敵するほどになっていた。
巨大な隕石は、太陽を完全に隠して、真っ暗になった。
「むむむむ。
こうなったら、宇宙ごとリセットするしかないわね。
実はあたし、力技が好きじゃないんだけど、なッ!!」
調和の神は、両手を上に上げて、頭の腕に巨大な黒い球を創った。
「アルファホメオスタシスブラックホール!!」
創造の神は、右手と左手を大きく横に開いて、身体の両側に巨大な光の球を創った。
「オメガエントロピービッグバン!!」
2人の神々は、コントンに向けて、3つのエネルギーの球を投げつける。
コントンは、大きく口を開けると、ガブリと飲み込んでしまった。
「なんじゃてぇ!飲み込まれてしまったぞ!
宇宙が崩壊するほどのエネルギーを?!」
「あれ?
すっきり晴れて明るいわ。
ねぇ、上を見て?」
気がつくと、巨大な隕石は、どこかに姿を消していた。
「えええ?ありゃ?
わしら、隕石には何もしておらんよな?
そもそも消せなかったしのぅ。
なんでだれが?
どうしてどうやって消えたんじゃ?
しかも、コントンはピンピンしとるな。
なんか、機嫌が良さそうじゃ
おお、コントン島より大きな魚を丸呑みしておるぞ!
だんだん可愛く見えてきたな。
あれ?
海に潜ってしまったぞ。
どこにいるのか、場所もわからんわ」
2人の神々は、不思議な気持ちで宇宙に行って、隕石が消えた辺りを調べてることにした。
すると、ぬぅっと、宇宙の何もないところから、何かが出てきた。
そして、いきなりしゃべりだした。
「こんにちは。わて、隣の宇宙の創造調和を司る天地の神いいますー。
けったいな隕石が来たと思ったら、こっちの地球は見当たらんようなって。
穴を見つけて入ってみたら、これですわ。
あんさんら、こちらの宇宙の神々ちゃいますか?」
2人の神々は、びっくりして、「こんにちわ」というと、お互いに姿が見えるようになった。
天地の神と名乗る存在は、大きなタコみたいな姿だ。
「今お前びびっとったじゃろ?」
「あ、あたし、ぜんぜんびびってないわ。
そっちこそ、おっかなびっくりだったじゃない!」
「いやいや、ぜんぜんそんなことないぞ」
2人の神々は、息を合わせて、空に向かって伸ばした右手と左手をつなぎながらこう言った。
「だって、宇宙の全てをつくった、全知全能の神々ですからッ!!
でも、あなた、だぁれ?」
「知らんのかーい!!
全知全能の神ちゃいますやん!」
3人の神々は、お腹を抱えてケラケラ笑う。
「そうそう、これだよ!!
あたしは、こうやってツッコミを入れてくれる人が欲しかったよ」
「そうじゃそうじゃ。ずっと2人でボケておったからのぅ」
「そんなん言うてもらえたら、いっくらでもやりまっせ。
いらっしゃーーーい!」
なんとなく3人の神々は、意気投合した。
「どうやら2つ宇宙は繋がってしまったようじゃ。
それで新しいバランスが生まれようとしておる」
「隣の宇宙の話とか、色々聞いて話をしていたら、あっという間に数千年は経ってしまいそうね」
3人の神々は、さっきまで地球だったものを宇宙から見下ろして眺めた。
そこには、地球やコントン島、隣の宇宙の地球が混ざり合った、見たことがない惑星ができあがっていた。
「混ざっておるわい」
「混ざってるわね」
「混ざってまっせ」
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