それでも続く明日のために。そのいち

 「それでも続く明日のために」ぃ!?

 なんですかこのカッコつけたタイトルは。いつものちょっと「やらかしちゃったけどまあ後悔はしてないよ!」みたいなお茶目さはどうしたんだ!! 熱でも出たのか!


 そうです。熱が出ました。

 言わずと知れた“例のアレ”で一族郎党いちぞくろうどうやっつけられました。クラスターと言うヤツです。元気な人は元気に作業してるし(夫とか)動ける人は軽やかに動いてるし(夫とか)、まあ平気な人は横になりながらもYouTubeとかネット配信サービスを利用して時間を有意義に使っているようなんですが。


 ワタクシは、ケツが痛くて。

 そう、ケツから下、足が異常に痛くて。


 筋肉痛というんでしょうか。動かしてもいないのにあのキリキリした痛みが持続しておりまして、地面に対して垂直に腰を下ろそうものならケツが悲鳴を上げます。もちろん紫陽もうめきます。かと言って大人しく寝ようとするとやっぱりケツから下が痛いので、まんじりともせず目をかっぴらいてモゾモゾ動き回り痛みが最小になる体勢を探すのですが、そんなものはなく。

 

 ケツから下の痛みを消す道具を出してよドラえもん〜!


 そんな感じで今日一日過ごしていました。こんな祭日があってたまるか2022。これは紫陽の歴史に刻まれました。11/3、紫陽のケツ痛む。いみじう耐えがたし。わろた。



 さて。そういうわけで外出自粛状態ですから、直近で買ったものといえば2Lのアクエリアスを3本とか、夫婦でつまむためのお菓子ですとか、そういう細々した生活必需品なんですが、多分このエッセイを読んでいる読者の方々はそういうの求めてないんですよね。

 このエッセイは財布(あるいは口座)の中身を減らしちゃった紫陽が反省しつつも後悔しないという内容の浪費エッセイなのだから、もっとドカンとやらないといけないのですよ。爆散!ナムサン!アイエエエエ!そんな感じの勢いがないと。


 というわけで過去のものになりますが、今回の品物の紹介を致しましょう!ジャジャンッ!


いずれも書籍です!

★★★

①前田安正「マジ文章書けないんだけど」(大和書房)


②アーシュラ・K・ル=グウィン「文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室」(フィルムアート社)

★★★


 今回から(不定期に)始まる「それでも続く明日の以下略」シリーズは、どちらかといえばさんや向けに、紫陽が買いためた参考書籍の数々をお届けしようかな、と思います。


……貧乏人には高い買い物でありました。でも本なのでOKです!財布の中身が減っただけ!(いつもの)


では、①から参りましょう。


前田安正さんの「マジ文章書けないんだけど」。こちらの本、立ち読みができる本屋さんなんかで冒頭を読むと、ポップでキュートなイラストと、「そんなことわかってんよ……」と言いたくなるような初歩の初歩から丁寧な説明が入ってきます。でも「思ったより……」とか「見当違いだった」とこの本を書棚に戻してはダメです。

 この本はハウツー本ですが、主人公「浅嶋すず」ちゃんの成長物語の側面も持っています。すずちゃんは就活を控えており、エントリーシートを書かなければならない。それなのに「文章マジ書けないんだけど!」状態なわけです。

 その「文章マジ書けない」大学生のすずちゃんが最後には立派なエントリーシートを仕上げることができているんですよ。

 私感動しちゃいましたよ。


 まあそれは置いておいてですね。

 この本の中には基礎のキから、応用の「用」の最後のハネまで入っています。

 本は四つのステップに区切られていて、難易度が徐々に上がっていきます。個人的に目を剥いたのはファイナルステップ。いきなり難度を跳ね上げるんじゃないよ!

 別の本になったかと思ったわよ!

 このファイナルステップのためだけにこの本を買ってもいいと思います。これは「小説の文章を磨きたいけど、文章をどう組み立てていいかわからない!」人向けです。いわゆる入門書と言っていいでしょう。すずちゃんと一緒に課題を乗り越えていけば、スラスラエントリーシートが書ける……かも?


 注意すべき点は、この本が教えるのは小説の書き方ではなく、一般的な文章の書き方です。しかし、小説を書いていく上でひとつの指針となるのではないでしょうか。紫陽的におすすめの一冊です。


〜〜〜〜〜


 次!「文体の舵をとれ」。言わずと知れたル=グウィンの文体指南書です。これはマジで効く。何年か前に一度大流行して「文舵」なるタグができたのを覚えていますが……今はどうなんでしょう?「文舵」の知名度はいか程……?

 この本は「ドリル」でもなければ「教科書」でもない、「問題集」かと言われるとそうかもしれないが……と流行病の熱でぐるぐるしている紫陽の脳裏に浮かんだのは、別界隈のフォロワー様のおっしゃっていた「縛りプレイ」でした。ち、違うんですのよ、SMじゃなくってよ。

「〇〇を用いずにこれを書いてみよう」

「あえてこの手法を用いて物語を作ってみよう」

的な「縛りプレイ」でしてよ。


 いやだがしかしこの文舵、難解である。実は紫陽もある界隈で「文舵練習会」なるものをフォロワーと結成し、今も取り組んでいる真っ最中なのだ。(本書には「グループを作り、人数を揃えて講評を言い合うと効果的!」的な文章も載っているので、それに従ったのだ!)

 結論から言うと、「まだ中盤なのにめっちゃ無茶振りしてくるやん!?」

 最初こそみんなで「あーこんなもんか楽々」とか言ってたにも関わらず、だ。グループ会員が軒並み唸りながら作品を提出しそれぞれに講評を書き(そしてこの講評がめっちゃ大変)。終わるころには運動もしてないのに汗を掻いてるというこのハードモードぶり。

 

 ル=グウィン〜〜〜!!!!!(さんをつけろよデコ助野郎!)


 でもこれに真摯に取り組むことできっと何か見えてくる。これは中級者から上級者向けの、「文体に個性を持たせたいな」と思っている人向けです。初心者の方には少し難しいかもしれません。




 さていかがでしたでしょうか。同志諸君に届けば幸い、届かなくてもここに残しておきましょう。

 この文章をのろのろ打ち始めてからおよそ三時間が経過しています。長い。ケツは依然痛むまま、熱が上がって参りました。


 旦那が笑いながらYouTube見てる。恨めしい。ケツが痛い。

みなさんも、寒い季節です。どうかご自愛くださいますよう。

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