衝動買いした青い本の、そのいち
さきのエッセイでも触れたけれど、ウインドウショッピングのつもりで入った本屋で青い表紙の本を衝動買いした。3冊も買った。
夫に「おまえはアホだから置き場も考えずにものをかう」と罵られた。返す言葉もない。カラーボックス3つ分の本棚はもはや空きなどない、溢れかえった積読本が山のように平積みにされて床を占拠し、汚部屋の一端を担っている。
アホである。積読を読め。
しかしながらやっぱり「衝動買い」っていうのはある。正しい衝動買いと正しくない衝動買いがある。
おそらくこれは「正しい」ほうの衝動買いに当たる。
絶対にそうだ。
おそらく、多分、きっとそうに違いない。
「衝動買いなんかしないよ!」という財布の紐が固い倹約家の皆様にはわかっていただけないかもしれないのだが、衝動には理由がある。
第一に、「何かがくすぐられている状態にある」と感じること。
第二に「今を逃せば絶対にこの先買わないし出逢わないであろう」という焦燥があること。
第三に「欲しい」ことだ。
ちなみに第四の理由に「単純に金を使いたい」がある。
第四の理由さえ除けば、私は「欲しい」に従って衝動買いをしたことを後悔しない。減った財布の中身を嘆くことはあるけれど。
ともあれ今回は衝動買いした本についてのエッセイ第一弾。
青い背表紙の講談社タイガから出ている、はやみねかおる先生の「ディリュージョン社の提供でお送りします」。
ちなみにまだ読んでいません。
おい!
読んでねえのかよ!
──はい、読んでいません!石を投げないで!
昔話をさせてください。紫陽が本当に純粋な少女だったころのことです。
原ゆたか「かいけつゾロリ」シリーズを一巡りした私が出会ったのは、青い鳥文庫から出版されていた、はやみねかおる先生の「夢水清志郎事件ノート」シリーズ。たしか最初に買ったのは「魔女の隠れ里」だったかなぁ。
青い鳥文庫は名前の通り、青い鳥と青い枠を表紙にあしらった、児童向け作品を展開するレーベルです。今もあります。最近はどうなんだろうなぁ。お世辞にも(ひっくり返っても)児童とは呼べない年齢になってしまった私が、児童書コーナーを覗くことはほとんどないので……。
アラサー女の古い記憶を繰り広げてみると、青い鳥文庫のはやみねかおる先生といえば読書好きの友人たちが口を揃えて推していた人気作家でありました。確か私も「夢水〜」シリーズは全部揃えていたんじゃなかったろうか。それから、同作者の「都会のトム&ソーヤ」、「怪盗クイーン」などなど、自分なりに読書の幅を広げていったのを覚えています。
それくらいワタクシにとっての「はやみねかおる先生」というのは大きな存在であったのです。
そんな先生が、「講談社タイガ」という青い背表紙のレーベルから本を出しているのを見つけてしまったじゃありませんか。
見つけて、しまったじゃ、ありませんか。
買うしかないじゃありませんか。
ねえ?
「講談社タイガ」といえば、「美少年探偵団」の西尾維新先生、「詐欺師は天使の顔をして」の斜線堂有紀先生、「彼女は一人で歩くのか?」の森博嗣先生などなど、ここに出したタイトル以外にも代表作が多数あるような、エンタメ界をブイブイ言わせてるような名の知れた作家大先生がたが顔をそろえており。
そんな中に、はやみねかおる先生がいらっしゃる。
児童文学という軒をこえて、エンタメ界隈に!先生がいらっしゃる!
ウワーーーーーーーーーーーーーッ(心の声)いや買うしかないじゃないですか。買いです。買いました。
買った本の値段なんか覚えてません。「アイドルマスターシャイニーカラーズ」の課金額は覚えてますが本にかけた金なら実質0円です。万事OK。財布の中身が減っただけ。
はやみねかおる先生は「都会のトム&ソーヤ」あたりから「ゲーム」を題材にとることが多くなった印象です。興味の先がそちらにあるのでしょうか。
ゲームといっても、Switchみたいなハードがあってソフトがあって……みたいな家庭用ゲーム機ではなく。
どちらかといえば、リアル脱出ゲームであるとか、いわゆる「TRPG」の方が近いのかな。台本があり、物語があり、現実の我々がそこに放り込まれる。
本のあらすじによると、やっぱり「ディリュージョン社の提供でお送りします」もその切り口で「ゲーム」を描く様子。これは気になるなぁ。
何よりも、私のいしずえを作っている「夢水清志郎」を作った先生が、このエンタメ分野に参入して「何」を書こうとしているのか、めっちゃ気になる。
……気になっちゃったんですよう。(弱々しい言い訳)
これは「今買わなきゃ絶対に二度と買えないだろうな」という感情のもとに購入した。気になるという感情は一過性のことがありますからね、はい。実は前からずっとずうっとずううううっと気になっていたんですけど、思い切って買いました。思い切った。やってやりましたよ。やってやりましたとも。これから読みます。
平積みになってる積読を順番に片付けたあとに。
ああ、「だからお前はアホ」という夫の言葉がこだまする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます