第10話 エクソシスト
ざっくりと言えば、地球上の人類の四割がキリスト教である。
それらを統括するバチカンという組織には色々な部門がある。
悪魔祓いもその部門の一つだ。
ローマ教会は創設以来、悪魔の存在というものを認めていなかった。全知全能の神が存在する世界にその敵対者である悪魔が存在できるわけが無いからだ。そのため、バチカンでは悪魔祓いもまた行っていなかった。
だが現実には悪魔憑きという現象は実に数多く存在する。そして簡単な祈祷程度では離れてくれないヘビーな悪魔憑きも当然ある。これらの案件は最終的にはバチカン本部へと上がって来ることになる。特に相談者の身内に金持ちか権力者がいるとそれは顕著となる。
このようなときはどうするのか?
カタリ派のような異端とされて普段は教会組織から弾かれている派閥の一つが悪魔祓いを行っていて、ここに依頼するのである。
こういった異端派は教区も教会も持つことは許されないのだが、こういうときだけは裏から依頼が来るのである。
何という酷い話だ。
十年ほど前、ローマ教会は初めて悪魔の存在を認めた。神に信者を帰依させるための便宜的な敵対者としての悪魔を認める、だそうだ。つまり信者を脅して神の下に追い込む牧羊犬としての悪魔ならOKというやり方だ。
これに合わせて、悪魔祓いの学校をつくりエクソシストを養成するようになった。
末世に近づき、悪魔憑きが急増しているのに違いない。
なお、今世紀最強のエクソシトと名高い人の言葉によると、悪魔は空中に漂うクラゲのような外見をしているとのことである。
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