第8話 シャルルドゴール空港、広っ……
フランスのシャルルドゴール空港に行こうとしていた我々。
が、一人一緒に行くはずのツアー客の姿が見当たらない!
慌てて探すと、その人はなんとローマ空港の免税店で買い物三昧していた。
呑気! この混乱の最中、逆にすごいわ!
「鈴木(仮称)さーん! これからフランス行くから戻ってきてくださーい!」
すると鈴木さんは慌てたように、会計のスタッフにむけてこういった。
「もう出発しないといけないから早く! あ、マイル、ちゃんとつけてね!」
きっちり買い物をし、マイルをつけてもらった鈴木さんを回収して戻る。
パリまでの飛行機に搭乗すると、機内にはクリスマスソングが流れており、客室乗務員の皆様は頭の上に赤いサンタ帽を被っていた。搭乗する我々に向かって手を振り、陽気にいう。
「Merry Christmas!」
まさかこんなクリスマスイブを過ごすことになるなどと誰が思おうか。しかしとにかく、フランスへと向かわねばならない。
フランスまでの旅路は非常に快適だった。
機体が故障して三時間足止めを食うこともなければ、アルプス山脈上で飛行機が揺れて死を覚悟することもなく、客室乗務員の方がこぼれそうになったジュースを飲み干すこともない。
ごく普通に快適な空の旅にホッとしつつ、飛行機はやがてフランスのシャルル・ド・ゴール空港へと到着する。
そして唖然とした。
シャルルドゴール空港めっちゃ広いやんけ!!
予備知識なしに初めて降り立ったこの空港は尋常ではない規模の空港だった。それはもう、成田空港なんて霞んでしまう程に。広々としたドーム型天井の通路を六人で駆け抜け、どこに向かえばいいのか案内板を見て確かめる。頭上ではフランス語と英語のアナウンスが繰り返し流れ、通路はクリスマス前に家に帰ろうとする人々でごった返していた。
どうやら今いるところから我々が乗る予定の飛行機が就航しているターミナルに行くには、電車に乗らないといけないらしい。
空港内を走る電車に乗るために移動し、私と父が乗り込んだ。と、いきなり発車ベルが鳴り、なんと扉が閉まってしまう!
置き去りにされる、四人!
呆然とした顔でこちらを見つめる、四人!
私と父を乗せ、走り去る電車!
私と父は目当ての駅で降りると、四人を待つことにした。幸いすぐに合流できた。
なんとか日本行きの飛行機が止まるターミナルまで行くと、そこには日本人がいっぱいいた。すんごいホッとした記憶がある。
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