第23話 作戦会議

 そして、僕たちはAチームに勝った。あれから、勢いに乗り攻めも2マップ目もいつも以上にうまく行った。

 それも、二人の言葉のおかげだ。僕が自分から動くことの重要さに気づき、みんなの負担を減らせる。やはり、このゲームは一人一人の力が大切なチームゲームだなと感じた。まあ、どちらかと言えばこの五人だからこそだなあ。


 それはさておき、次は明日の決勝戦に向けて考えよう。現在行っている試合もBチームが圧勝していた。

 これで、Bチームは全勝する。そのため、Bチームは予選一位となる。そして、僕たちはすでに二勝しているため、この時点で二位となる。つまり、明日の決勝戦は僕たちCチームと零さん率いるBチームが戦うことが確定する。


「決勝戦いけるね」

「うん。でも、やっぱBチームか」

「強かったね。勝てるかなあ?」

「私も不安。花蓮ちゃんどうかな?」

「ん。結構厳しいね……まあルートがなんとかしてくれる」

「また僕ですか……。うーん、それならちょっとしたいことが」

「なに?」

「むちゃぶりだと思ったけどあるんだ」


「スナイパー持ちたいな」

「あー、ならキャラも変更する?」

「うん。スナイパー使いで行くよ」


 そう、僕はスナイパーを使うべきだと思った。


「え、それじゃあ、花蓮ちゃんどうする?」

「そうだね、花蓮さんはキャラ制限があるけど……」

「……」


 スナイパーは球が真っ直ぐに飛び頭に当てればワンパン、それ以外では大きくHPを削る。そして何より、ほかの銃とは違い、弾速がとても早い。つまり、零さんに撃たれる前に倒せる。


「零さんに撃ち合いでは勝てないので弾速で__」

「ん、いいよ」

「いいの?」

「ん?ルートの考えいいと思うよ。ルートのスナイパーなら外さないからね」

「花蓮……。それじゃあ、実際にやってみようよ」


 僕を信じてくれる、その気持ちがなんだか嬉しかった。その期待にも応えなきゃ。


 __________


 配信外だったが、今日もいつものカスタムメンバーが集まってくれた。また今度、このメンバーの人にもお礼をしないとな。そう思いつつ、カスタムを開いた。


「花蓮、ちょっといい?」

「ん、なに?」

「スクリムと昨日ので気になったことがあって。零さんって一番使っているキャラってなに?」

「確か、攻撃の忍者だね」

「そうなのか。忍者はどのマップでも使えるからかな」

「ん。あとウルトのクナイが強い」

「あ、俺もそれでラーク潰された」


 やっぱり、零さんは攻撃専門らしいなあ。僕と真っ向勝負となりそうだ。


「それなら、キラトの自由枠を索敵にして両サイドを押さえたら」

「いや、キラトはそのまま攻撃のロールで。その場合、ルートの索敵を私がした方がいい」

「うん、あると楽だね」

「それでなんとかなりそう?」

「あと立ち回りを変えよう。自分たちで攻めに行ってエリアを広げないと難しそう。毎回どこかプッシュしたい」

「でも、相手が強いよ?」

「そうだから、一昨日やったペアを積極的にやろう。なんならそれをデフォルトにしてもいい」

「その場合、俺どうする?」

「ミッドをひたすら守って欲しい。スキルたくさん使って大丈夫」

「あ、僕がスナイパーで覗く時のカバーもお願いします」

「OK!」

「こんな感じで一回やってみよう」


 みんなで考えた作戦を試してみた。


「これでいいじゃない?」

「うん。だいぶ良くなったね」

「ルート君のスナイパーって本当にはずさないね」

「まあ、ちょっと外し過ぎかな」

「師匠……鬼畜だよ」

「それで外しすぎっていうのか」

「3発だけだよ?外したの」

「鬼畜だなw」


「明日は久しぶりにあれやろうか」

「嫌だああ。あのセットは決勝前で力尽きる……」

「……聞くだけでやばそう。よし、私たちは逃げよう」

「うん」

「うん」


 さらっと、キラトさん、イフさん、レナさんに見捨てられたと思っていたら、ゲームのチャットが送られてきた。


 :最後のとても強かったです。明日も頑張って!!!

 :ルートのスナイパーまじで強かった。明日の試合でも頑張れ!

 :優勝してきて!!!ファイトー

 :五人とも遅くまでお疲れ様でした。明日も応援してます、頑張れ

 :最後のめちゃすごかった!!!ナイスチーム!優勝してきてくれ!!


 視聴者からのチャットだ。全員が明日の決勝を応援してくれた。


「あ、なんか嬉しいね」

「うん、明日勝たなきゃな」

「ん。絶対優勝する」

「うん、精一杯頑張る」

「うん。僕も頑張ります!」


 胸の奥がジンとする。ああ、僕はまた好きになったなあ。キラトさん、イフさん、レナさん、花蓮、そしてこのチームを。

 この好きという感情を忘れずにしたい。これは大切なものだ。そして、もっと大切にするために思い出を重ねよう。優勝という思い出を。



 __________


 後書きみたいなものパート3(2022/12/31記述)


 どうも~。雨野こうです!

 今回も『とあるVtuberのお話』を読んでくださり、ありがとうございます。


 さて、この物語を始め、早一か月過ぎました。おかげさまで、6000PVに到達しました。まあ、この数字がどれだけすごいかいまいちわかっていませんが……。また、今も100人近くの人に見てもらえ、とてもうれしいです。

 まだ一か月しか活動していませんが、今年はありがとうございました。来年もまだまだこの物語を盛り上げていきますので、よろしくお願いします。


 最後に、今回もよろしければ、応援、コメント、フォロー等をお願いします。報告、意見、感想等、気軽にコメントしていってください!


 今回はこの辺で。それでは、引き続き『とあるVtuberのお話』をお楽しみください。そして、良いお年を!

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