この手を伸ばしても意味などない
物語の中の人に恋をしたって
手は届かない
物語の中の人に恋をしたって……
触れたいのに
夢は永遠に叶うこともなく
せめて夢の中でと
眠る
眠り
眠って
どうか私を
もう、
目覚めさせないでほしいの
物語の中に
私を――
会いたくて
触れたくて
一度だけでいいから
目を閉じてみても
その場所には行けなくて
私はどうして
ここにいるのか
なんという悲しみか
虚無感を抱えて
絶望を纏って
それっぽく泣いて
物語の中の人に恋をしたって
この隔たりは
サヨナラと口にした
触れたい
願望ばかりが宙を舞う
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