第34話 果たして性格が変わったのか? そもそも元からの資質だったのか?

 うーん? そもそもコウキの野郎が余計なことをしなければ、ここまで話がこじれていなかったわけだ。


 しゃくだが、とりあえず今はそのことは置いておいて。


 ユカリという人間は元から派手好きで男友達も多く、おそらくだが人気者だった。


 一方でユウキは人間界にいた頃から王様になる的な問題発言をかますようなおそらくは問題児。


 そして鹿殺しのコウキは以前からそんなユウキに友人以上の好意を抱いていたと。


 不思議な三角関係。どこでもつれた?


 人間界のゲームってなんだろう? その会場とやらのパネルが剥がれ落ちて三人は下敷きになり、気づいたらここにいた。


 ちょうどいきり癖のあるユウキが勇者一行と名乗りを上げて、なぜだか魔王城を占拠。どうやらこいつ、剣の腕はなかなからしい。


「ユウキはさ、子供の頃からチャンバラ強かったし、剣道部だったからな」


 目を輝かせ、話すコウキだが、チャンバラ? 剣道部? それはナンデスカ?


「で? ユカリとユウキはいつから付き合うことになったんだ?」


 おれの質問に、きょとんとした顔を向けるコウキ。ん? おれ、変なことを言ったか?


「ここに来るまでは、付き合ってなかったと思う。完全にユウキのひとりよがりで、ユカリはもっと羽振りのいい男が好きだったから。だから?」


 おう、するってぇーとなんだ。どうして魔界に来てしまったのかまではわからないが、ユカリは自分の身の安全を守る為だけにユウキを好きな振りをしたと? ユウキはモテたと勘違いしてユカリと結婚した、そんなところか?


「だから結局のところ、なんでコウキだけが洞窟から出られない状態になったのかも説明してよ?」


 ああ、なんだかとてもモヤモヤするな。仕方がないのだけども。


「だからそれはさっ」


 珍しくコウキが目線を外して顔を赤らめる。なになに!? 気になるじゃん。


「ユカリが悪いんだよ。ユウキのことを裏切って、おれに告白なんかするから」

「あー。そういう三角関係ね」


 永遠に解決しないヤツじゃん。


「どういうわけか、それがユウキにバレて、あの洞窟に呼び出されて、光を浴びると死ぬ魔法をかけられたってわけ」

「だが。懲りずにユカリは洞窟に足しげく通ったと。わずらわしく感じたコウキは自分の身代わりに薬師を与えたと。そういうこと?」


 うむ、とコウキが頷く。えー? これ、絶対に誰も幸せになれないじゃんよ。どうすんのよ。


 そうして無言のミナトを気にしながらつづくのだ。

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