第77話 コスプレ承諾

さて……どうなるかなぁ。


実は、翌日の日曜日にアキラさんから電話がきた。


確か、こんな内容だったかな?


『やあ、天馬君』


「こんばんはです、アキラさん。すみません、昨日はご馳走様でした」


『いやいや、私が呼んだのに払わせるわけにいかないよ。それと、君には大分助けられているし』


「そうですかね? 全然、自覚ないんですけど」


『ふふ、それで良いんだよ。さて、本題に入るとしよう。昨日言っていた、日雇いの件だが……葉月さんは、可愛い女の子なのだな?』


「え、ええ、スタイルも良いし可愛い女の子で、性格も良いです」


……今、改めて言葉にして思った。


葉月って、めちゃくちゃ可愛いし良い子だし……。


俺、よく一緒にいられるな……本来なら、絶対に関わり合いにならなかったはず。


『ふふ、べた褒めだな。もちろん、女性の見た目で判断してはいけないが、これから頼む仕事は見た目が良いに越したことないのでな。彼女には、売り子をしてもらえると助かる』


「……夏コミですか?」


『ご名答。コスプレをしてもらって、本を売る仕事だ。私のイラスト担当をしている方が参加するんだ。人手が欲しいみたいだが、君が信頼する人なら問題ない』


「あ、ありがとうございます」


『とりあえず、確認だけしてみてくれ』






という感じだったけど……葉月がしてくれるかなぁ?


「……コスプレって、アニメとかの?」


「そ、そう、夏コミってわかるか? あのイベントの売り子ってことで」


「うん、テレビで見たことある。なんか、オタクの人が集まるやつでしょ?」


「まあ……否定はしない。ちなみに、交通費や飯代は払うってことと、日当で一万円払うってさ。時間拘束は、四時間くらいかな」


相場より、少し高いって感じだ。


「一万円……よ、四時間で!? 時給二千五百円……普段の三倍くらい?」


「うん、それくらいかな。遅くなれば、追加で支払うってさ」


「な、何か危ないことしない?」


「えっ?」


「だ、だって、時給が高いし……その、エッチなこととか」


「あぁー……写真とかは撮られるかもしれない。ただ、断ることはできる」


「そ、そうなんだ……野崎君も来てくれる?」


「えっ? ああ、そりゃもちろん。俺もスタッフとして手伝ってくれってさ。そのお金があれば、葉月も俺も遊びに行くお金ができるかなって」


「たしかにそうよね。それくらいあれば、遊園地やプールとかもいけるし……じゃあ、やってみる」


「本当か? じゃあ、伝えておくよ」


「その……私がコスプレしたら守ってよ?」


葉月のコスプレ姿……おっぱいも大きいし、めちゃくちゃ可愛いし。


めちゃくちゃ人が寄ってきそう……いや、俺がどうにかしよう。


「……頑張る」


「ん、ならいいし……あ、暑くなってきた!」


「や、病み上がりだしな! そろそろ帰るわ!」


「う、うん!」


なんだか恥ずかしくなってきたので、葉月の家をあとにする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る