第67話 テスト休み
翌朝はテスト休みなので、朝から執筆をする。
最近は葉月と遊んだり、和也君っていう友達が出来た。
なので、放課後や休日に執筆できないことが増えた。
それ自体はありがたいし嬉しいが、このままだと更新頻度が落ちてしまう。
「ラブコメイベントを学ぶために時間を費やして、小説を書けないんじゃ本末転倒だよな」
葉月だって、俺の小説を待ってるはずだし。
もし……俺が小説を書かなくなったらどうなるんだろ?
「葉月は、幻滅するのかな?」
いや、もちろん書くのを辞めるつもりはないけど。
ただ、アキラさん曰く……ある時、突然辞める人が多い世界らしい。
書籍化出来なかったり、ランキングを登れなかったり、他人と比べて落ち込んだり……。
「……俺も、高校卒業までに結果を出せると良いな」
そのためには、インプットとアウトプットを繰り返すしかない。
読んで経験して、それを文章に落とし込む。
近道はなく、地道にコツコツとやるしかない。
そのまま、三時間くらい執筆を続けて……数話の書きだめができた。
「ふぅ、これくらい書けば良いかな」
その時の体調や、気分で楽しく書ける時と、そうでない時がある。
幸いなことに、今は葉月のお陰もあって楽しく書けてる。
「……? 葉月?」
スマホの通知が、鳴ったので見てみると葉月の名前がある。
なんだろ? 今日は和也が帰ってくる夕方あたりに家に行くとは言ったが……。
何か、予定外の事が起きたのか?
「……おっと、取らないと」
沢山書いた後は脳が疲れてしまうので、少し鈍くなるのが辛いところだ。
「もしもし?」
『も、もしもし? 今、平気?』
「あ、ああ」
いつもより、声が出てないような……。
『……電話しちゃまずかった? 疲れてそう……』
「い、いや、今書き終わったところだ。どうかした? 夕方に行くって話だったが……」
『うーんと……特に用事はないんだけど』
「はい?」
『なんとなく、電話してみたって感じ……』
「そ、そうか」
なんだ? こういう感じは初めてだ。
少し甘えた感じだし、声が可愛らしい。
それに、弱々しい感じが……弱々しい?
「おい、葉月……お前、熱はあるのか?」
『ふえっ? ……ないし』
「いやいや、間があったから」
『……七度八分……』
「熱あるじゃんか……一人か?」
『……うん。お母さんも仕事だし、弟や妹は学校だし』
「よし……今から行くから待ってろ」
『……えっ? う、ううん、悪いから』
「いいから。とりあえず、すぐにいく」
多分、相当弱ってる。
なにせ、俺に電話をかけるくらいだし。
俺は急いで準備して、家を出るのだった。
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