第5話自分の居場所
ふと目が覚めた。
部屋は暗かったが窓が開いているのか、月の光が差し込んでいた。どうやら随分と寝ていた様だ。少し熱があるのか緩やかに頬をなでる風が気持ち良い。代り映えしないはずのその部屋でこんな風に思ったのは始めてだ。
そういえば窓やカーテンも締め切って居ることが多かったな。いつ開けただろう?
必要な時は開けるが、エアコンなんかを使う場合、閉めてしまう。
文明の力に染まりきった現代人には分かりきった事だろう。昔はなんて嘯いた所で暑いものは暑いし、寒いものは寒い。
そんな下らない事を思いながら、瞼を閉じる。
…
…
…
嗚呼、このひと時がとても良い。ふとした瞬間に気付くこの俺を包み込んでくれる優しさ。安心する香り。乱暴にも似た扱いにすらふわりと応えてくれる。時に温かさを、時に冷たさも。
そんな布団に潜り込む様に抱き寄せる様に俺は眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます