第14話
sideアドリアネ
「あんたねー、まだ初日よ。」
そんなヘラ様からのメッセージで覚醒する。
ここは何処だ?
最後に覚えている景色は、綾人さんの太もも。
耳かきの後に調子に乗って、マッサージまでしてもらったところから記憶がない。
やらかした、しかもヘラ様に監視されている状態で。
言いたいこともあるだろうが、ヘラ様もこれ以上は何もいわずにいる。
頭を抱えたくなる衝動に駆られたが、どうやら縛られているらしく手が出せない。
舐めやがって、おっと淑女らしくない。
この程度の拘束でどうにかなると思われているのも癪だが、周囲に綾人さんがいないのが目下の最たる問題だ。
私が縛られている現状から鑑みて、連れ去られた後ですね。
とりあえず拘束を千切って床を立つ。
すると縄が千切れた音を聞きつけ、部屋の外に待機していたであろう竜人が雪崩れ込んでくる。
あぁ面倒くさい、が人を探す手間が省けたことを喜びましょう。
手に持つ武器はどれも貧相な農具ばかり、私を相手にするならせめて遺物級の武器くらい用意できなかったのか。
「翼人が目を覚ましたぞ!
皆のもの出逢え!」
なるほど、私のことを翼人と勘違いしていたのですか。
それなら、この甘い拘束も玩具のような武器にも納得です。
粛正の天使の名の下に、村自体を更地に変えてやってもいいですが…。
そんな事よりも綾人さんを探さなくては、
「竜姫様にあの男を、喰っていただくまで時間を稼ぐのだ!」
今なんて言いました?
喰うと?それは性的な意味でだろうか?
私ちょっと甘かったかもしれません、私が天使であることを理解できないのは分かりました。
私が有名だったころなんて、もう何百年も昔の事です。
ただその何百年の間に、随分と下界は野蛮になったものですね。
男の事となるとまるで猿です、そんな事繰り返しているから…。
いやまぁ今は関係のないこと、まずは居場所を割ることからですね。
side A
意外なほど、あっさりと触診は許された。
女が男に診察されるようなものか、断られることも想定していたが。
ゆったりとした和服のようなものに身を包んでいるので、軽くめくっただけで胸元は全て肌けてしまう。
やはり堂々としたもので、羞恥を感じさせない。
もともと医療目的だから反応がないのは分かるが、女性のこの佇まいには脳の処理が追いつかない。
まずは感触の違いを確かめるべく、患部の周囲から触れてみる。
「そちらが触るのなら、アタシも触って構わないということでしょう?」
カウンター気味に、ツバキは俺の股間に手を差し込む。
余りにも自然な動作のため、止めることもできなかった。
手はツバキと違う生き物のように、ズボンの中を弄り回り目的のものを見つけたようだ。
「ほぉ、本当に男だったわい。」
なるほど女の男装だと勘違いしていたらしい、今まで何度も言われてきたことだし、これには納得だ。
にしても人の股間に手を突っ込むことに躊躇がなさすぎる、あと目的を果たしたのなら早く離してほしい。
無駄にこねくり回されて、少し大きくなってから手を離される。
「ほぉ、そなたも巨竜を飼っているとみうける。」
とんでもないエロババアかもしれない。
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