第164話 熊岱市ダンジョン②
「
オレたちは件の熊岱市ダンジョンの様子を見るべく、軽トラを地上に置いて徒歩で潜ってみた。
軽トラはダンジョン内にはないが、
「ほんと不思議ですよね。ダンジョン内は別空間だというのに。このダンジョンが実際に地中にあるイメージで500m離れなきゃ大丈夫ってことなんでしょうね。」
「たぶんそうだろうな。ってことは、オレ達の深層心理とかにある無意識化のイメージがダンジョンの存在とか、あり方とかに影響を与えているのかもしれないな。」
「むずかしい話はおなかがすくのニャ」
美剣はそう言いながらもコボルドが落とした宝箱の罠を難なく開けている。
「この
「そうですね。レベル1だときつい相手ですけど、最初のほうの玄室には1匹しか出ませんでしたからね。もしこのダンジョンを買い取って一般に開放するなら、初心者はそこから出ないように看板とか必要ですね」
「すでにダンジョン経営の事を考えていらっしゃる?!」
「なにか、このダンジョンならではの個性というか、売りのポイントがほしいですわね」
「売店でチュー〇売ればいいのニャ」
「猫しか来なくなりそうだな」
「猫ダンジョンですか……むむむ、
「真奈美、思考が暴走してるぞ」
ほとんどコボルド、たまにスライムという1階層を雑談しながら通り抜け、2階層へと進入する。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「で、このフロアはほとんどトンボモドキと。」
オレは新スキルの『
「にゃー、なんか不思議なことが起きてるのにゃ」
挑発されたトンボモドキどもはオレのいる所にまっしぐらに向かってくるのだが、理力盾の透明な光の防護膜にぶつかって止まり、なんというか、空中で羽ばたいたまま静止している感じになっている。
「で、コイツを理力盾の裏側から攻撃できればいいんだが……おお、オレが攻撃する分には理力盾は割れないのか。」
先日、美剣が理力盾の裏から敵に投擲を行った際には、投擲されたフォークが盾の裏側に接触した時に理力盾が割れてしまっていたのだが、どうやら『理力盾』スキルを発現させた本人の攻撃は盾を砕くことなく敵に届くようである。
右手で突き出したハルバードが面白いようにトンボモドキを仕留めていく。
「突き放題だな。なんかのお祭りのゲームみたいだ。」
「アトラクションにして客呼べませんかね」
だからマナミサン、集客の発想から離れろ。
あまりにもあっさりと2階層も踏破してしまったため、予定を変更してダークゾーンのある3階層の様子も見てみることにしたのである。
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