第158話 フラグと方言
「わーい、お出かけニャ」
オレ達は朝の早い時間から、晴田市の探索者支援センターに向けて出発した。
今日の車は軽トラを使用。なので
「ようやく……焼きたてのマンガ肉を食べられるのニャ……! フフフ……わたしが食らいつくしてくれるにゃー!」
「よかったな」
「はいなのニャ!」
ようやく人型のままで探索者センターの食堂でアツアツ焼きたてのマンガ肉を食べれるとあって、美剣のテンションが爆上がりだ。
すでに軽トラの荷台の中で飛び跳ねまわっている。
「美剣ちゃん? 荷台で暴れると危ないですよ?」
「にゃー、少しでもお腹を減らしておくのニャ! 空腹は最高のスパイスなのニャ―!」
「そうか。それなら、ほれ! これで思う存分走り回れるだろ?」
「一気に広くなったニャ!」
そう、オレはハンドルのコントローラーを操作して荷台の広さを100倍に変更したのだ。
「ところで、九嶋さん達、3人で大丈夫ですかね?」
「ああ、最初の玄室から出ないって言ってたし、無理するような性格でもなさそうだから大丈夫だろう」
今日、オレ達が出かける前に陽介君から、ダンジョンに入りたいという連絡が来ていたのだ。
オレ達は出かけるけど、無理をせずに自由に使ってくれと返事をしたところ、最初の玄室でのレベル上げしかしないので心配しなくて大丈夫とのことだった。
で、そこに軽トラを放置しておくのもなんだかなという事で今日は軽トラでのお出かけと相成ったわけだ。
「これからは、軽トラを地上に出しておくべきかな。」
「そうですね。もしもの話、軽トラさんの荷台で九嶋さん達がコトを始めちゃったらなんだか嫌ですしね」
たしかに、いくら気心知れた仲とはいえ、いや、気心が知れているからこそ、自分のプライベート領域で他人のプライベートな事情が繰り広げられるのは、なんか気まずいというか嫌なものだ。
「まあ、そういう事はないだろうけど、お互いに疑念の余地は残さない方がいいだろうからな。これから軽トラは地上に置こう。」
「パイプ車庫でも買いますか?」
「うーん、こんなことを言ったらフラグになるかもだけど、そのパイプ車庫にもダンジョンが発生するとかありそうで怖いんだよな~」
「それは……、盛大なフラグですね……。税金だけでかまどかえしちゃいますね」
「かまどをかえす→
「先輩? なにを言ってるんですか?」
「気にするな。独り言だ。」
こうして益体もない会話を繰り返しているうちに、無事に探索者支援センターの駐車場に到着したのであった。
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