第153話 新パーティー結成?
「実は僕たち、まだレベル2なんです」
なんと、衝撃の告白であった。
レベル2と言えば、1階層の雑魚敵を苦戦せずに倒せるようにはなるが、少し強い敵や団体相手にはまだ心細く、決して3階層に向かえる実力ではない。いや、2階層だって危ない。
「あの社長、いつも僕たちにさんざん嫌味を言ってきて、『そんなに弱くて恥ずかしくないのか』とか、『探索者なんてやめて、御園と美夏に愛人になれ』とか堂々と言ってきやがって……。それで、オレ達はレベル3に上がったんだなんて大風呂敷広げちゃって……」
そうか、そんなことがあったのか。
「にゃー、あんにゃろう、キン〇マ刎ね飛ばしておけばよかったニャ」
美剣のその発言に、なぜかオレと陽介君が身震いする。
「で、あの社長、ダンジョンでの上がりに執着してたから、装備とかには金を使ってたんです。で、僕たち3人は貸し出された連射クロスボウを使っていたので、あの時はどうにか気合で3階層まで行けたというのが正直なところです。実際は、3階層に行った証拠となる魔物の魔石を1個でも手に入れたら戻る予定だったんですが……真っ暗で何も見えなくなって、美夏が落とし穴で怪我しちゃって……。っていうのが、あの日の顛末なんですよ。」
「事情は分かった……。大変だったね。教えてくれてありがとう。でも、もう大丈夫だ。ここで、自分たちのペースで頑張ればいいんだから。もちろん、できる限りの協力はするし」
「……本当に、何から何までありがとうございます。武田さんと知り合いになれてよかったです」
なんか、しんみりしてしまったな。
「よし、じゃあ気を取り直して、とりあえず2階層までは一通り案内を続けようか。」
そして訪れた2階層。
せっかくなのだから今日だけでもパーティーを組んでみようかと提案したのだけれど、陽介君たちは前衛を置いての戦闘経験がないので、誤射が怖いからと遠慮してきた。
確かに
オークや大ガエル、齧歯ウサギなどは陽介君たちにはまだ手ごわそうだったのでオレ達が倒していく。
それでも一緒に行動していればパーティーと見做されて陽介君たちにも経験値が入るのではと思ったが、ダンジョンの謎仕様は問屋が卸してくれなかったようで、結構な数を倒したのにもかかわらず陽介君たちに経験値は入っていないようだ。
姉や梢たちの時は全く戦闘に参加していなくても経験値が入っていたのに。
パーティー登録とかをする某酒場もないのだが、どんな基準なんだろう?
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