第151話 ご案内②
「じゃあ、奥に進もうか」
陽介君たちのパーティー『ナインガーデン』を案内して1階層の奥に進む。
今回は軽トラに乗らずに徒歩で移動だ。
陽介君たちにだったら秘密保持契約も結んでいるし、別に軽トラの秘密がばれても差し支えはないのだが、荷台に乗せて運ぶよりも一緒に戦闘とかしていったほうが会話も弾むと考えたからだ。
オレ達は次々と玄室に入り込み、灰色狼やスライム、コボルドなどの敵を殲滅していった。
このダンジョンはレアドロップ率が異様に高いと勘違いされてもあれなので、極力
美剣が全く戦わないのも変なので、通常のレアドロップ率と遜色ないように10回に1回の割合で倒してもらう。
「武田さん達……強いですね。探索者を始めたのが自分たちと同じ時期とは思えません……」
おっと、陽介君たちが唖然としている。
確かに、オレ達は1階のボス無限リポップで経験値荒稼ぎしているからな。
今のレベルはオレとマナミサンはレベル8、美剣は11だ。
たしか、捜索の時に聞いた陽介君たちのレベルは全員が3という事だったな。あれから探索には行っていないだろうから、多分そのままか、あの時の遭難前にレベルアップしていれば4になっているかもだな。
まあ、それくらいのレベルならばこの1階層は楽勝だろう。と思っていたのだが。
試しに戦ってみたいとの陽介君たちの言葉に戦闘を譲る。
1階層前半の1匹しかポップしないところは全く楽勝だったのだが、大量にポップしてくる後半部分は若干あぶなっかしい感じになる。
弓の攻撃で殲滅できるうちはいいのだが、どうしても数が多いと討ちもらした敵が接近してきて、先頭の陽介君が弓弦を振り回して追い払うという場面が発生。
幸い、後ろの美夏さんと御園さんの射撃が間に合ったが、敵がもう1~2匹多ければ後ろに回り込まれて美夏さんや御園さんがダイレクトアタックをくらってしまっていただろう。
「……僕たちの実力はまだまだこんなもんなんですよ。ああ、そんな顔しないでください。大丈夫です。前のあそこみたいに階層更新を急かされたりしなければ、コツコツやって強くなっていきますから! とりあえずは、敵が1匹のエリアで地道にやっていくつもりです」
と、陽介君は言っているが。
「えーと、問題は敵の数に対する手数であって、一発ごとの威力に申し分ないのであれば、この先にいい相手がいるぞ」
オレはそう言って、1階の最奥、ボス大狼の出る玄室に皆を案内していった。
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