第149話 名は体を表す?
「おはようございます! これからよろしくお願いします!」
次の日の朝、陽介君たちが我が家のダンジョンの見学にやってきた。
順序としては、まずは秘密保持契約書を交わしてから見学に臨み、その後に双方同意のもとダンジョン探索契約書を締結するという流れになるのだが。
その辺は面倒臭いこともあり、朝のうちに全て済ませてしまった。なので、陽介君たちは見学と言わず今すぐ探索に入ることも可能なのである。
だが、まあ初見のダンジョンに情報なしで放り込むわけにもいかないので、とりあえずは2階層あたりまで一緒に探索することにした。
「本当に、先日はありあとござーしたー!」
妹の美夏さんが、
すでに美剣は人型で探索者スタイル。
どうやら、陽介君たちはあの混乱の中でもしっかり美剣の事を覚えていたらしく、実は美剣が猫だという事を今日初めて知って驚いていたが、このための秘密保持契約なのかと妙に納得もしてくれている。
で、そんな猫に対しても真剣に頭を下げてお礼をしている妹さんという構図がここに発生したわけである。
「ところで、武田さんたちのパーティー名は何というんですか?」
「パーティー名? そんなもん特に決めてないけど?」
「そうなんですね。いや、同じダンジョンに2つのパーティーが潜ることになるので、便宜上でもパーティー名とかあればいろいろ便利なのかなって思いまして」
「そうか、言われてみればそうかもな。『九嶋パーティー』とか『武田パーティー』でも区別はつくかもしれないけど、確かに名前を付けた方が呼びやすいかもしれないね」
「はい。ちなみに、ウチのパーティーは『ナインガーデン』と言って、まあ、安直な名前なんですけどね」
その後陽介君たちのパーティー名の由来を聞いたところ、彼らの名前、
「じゃあ、ウチもなにかパーティー名を考えるか」
「『猫と愉快な仲間たち』なんてどうかにゃ?」
「うーん、間違いではないとは思うが……ちょっと長くないか?」
「そうですね……私たちの名前をもじって……えーと、早坂真奈美に武田佳樹に美剣ちゃんで……、うーん、いずれ3人とも同じ苗字になるわけですし、『パーティー武田』でいいんじゃないですかね?」
「なんかどっかの喫茶店? 床屋? それか芸人みたいな名前だな」
という理由でマナミサンの提案を右から左に受け流す。
いろんな意見が出たがまとまらないまま時が過ぎて行ったので、とりあえずその件は後回しにして、我が家の車庫ダンジョンの案内を開始したのであった。
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