第148話 合流前日
「ふう、身体が痛いな」
昨夜コタツでそのまま眠ってしまったせいか身体が痛い。
それにしても、美剣たちがこの家に来る前は毎日のようにコタツで寝起きしていたはずなのだが、たった一日コタツで寝ただけでこれほどまで身体が痛くなるとは、生活習慣の違いというのは不思議なものだ。
美剣はすでに起きているようで、すでにオレの腕の中にはいなかった。
「おはようございます。風邪ひいたりしてませんか?」
すでに起きて朝食の準備をしてくれているマナミサンが心配してくる。
「起こそうかなとも思ったんですけど、なんだかとっても幸せそうな寝顔だったので……」
「ああ、ごめん。面倒掛けたな。」
「毛布は掛けましたけど面倒はかけてませんよ?」
「……」
「にゃー」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昨夜何かの夢を見ていた気がしたのだが、内容は覚えていない。
それと同じく、なにか考え事をして、何かに気付いたような気もするのだが、そのことも記憶に
朝食を摂り、今日もダンジョンに行こうと準備をしていると、陽介君から電話がかかってくる。
どうやら、無事に丸舘市内に貸家を見つけたらしく、その報告だ。
その住所だと、我が家まで車で片道15分もかからないな。
不動産屋に行ったところ、どうやらアパートは夫婦向けの間取りのところしかなく、妹も同居する陽介君たちにとっては手狭。
そして田舎のくせにそれなりの家賃を取られるらしい。
なぜか、この丸舘市はアパート家賃が高いことで有名だ。
なので、結構古い物件なのだが部屋数も多くアパートよりも安い家賃で借りれる貸家を選択したらしい。庭もついていて駐車場代もかからないとの事。
ただし、何と言うか、昔の名探偵が出てくる事件に出てくるような雰囲気があるらしい。犬神家かな? 落ち着いたらぜひ見学に行きたいものだ。
で、見学と言えば、陽介君たちがウチのダンジョンを見学したいそうで、今日中に引越しを終わらせることが出来たら明日にでもお邪魔したいとの事。
とくに予定もないので二つ返事でOKして電話を切る。
「明日、陽介君たち来るってさ」
「じゃあ、私たちが専用で潜れるのは今日が最後になるんですかね」
「にゃー、なんだか不思議な気分なのニャ」
「よし、今日は思いっきり狩りに行こうか」
「「はい(にゃ)」」
今日が最後という事で何かが盛り上がったのか、狩り以外でも盛り上がってしまったのだが、それでも1階ボスの大狼を何度も狩り、この日のうちに大量の魔石と経験値を手に入れ、オレとマナミサンはレベル8、美剣は11にまで上げることが出来たのであった。
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