第139話 隊長ズからの相談②
「よし、次は
今度は自衛隊の隊長からのオハナシか。
「俺からは、鹿爪市の環状ストーンダンジョンの件だ」
鹿爪市は、丸舘市から車で約1時間の場所にあり、熊岱市とはほぼ反対方向。
その市には、石がまるで宇宙ロケットのように建てられて丸く並べられている遺跡があり、その建造物が建てられた理由等はいまだ考古学者らが研究中である。今のところ日時計説と何らかの祭祀に使われたという説が有力だとか。
その遺跡のど真ん中に発生した国有の環状ストーンダンジョン。
そこは、その立地からして最高深度も15階層以上と目され、出現する魔物も宇宙人的なフォルムの強い個体が多く、自衛隊が攻略に手古摺っているという噂のあるダンジョンである。
「噂は聞いているかと思うが、残念ながらその噂は真実だ。5階層のボスを倒せないまま2年が経過した。話というのは、そこの攻略に協力してもらいたいんだ。報酬は、参加だけで20万、討伐成功したら100万円。参加費の20万円は民間協力員という形の傭兵だな。100万の討伐報酬は懸賞金という形で考えている。どっちも現行法から言ってグレーゾーンなんだが、あんちゃんたちは秘密も守ってくれると信頼しているからな。もちろん、マスコミなんかには非公開の作戦だ。」
なるほど。秘密の案件か。こちらも秘密を大ごとにしてもらわなかった恩もあるし、日程次第では協力もやぶさかではないな。
それに、今の軽トラは荷台が広がって兵員輸送もできるし、負傷者の治療もできる。
まさにうってつけとも思えるので、こちらも日程次第ではというところではあるが参加を了承した。
マナミサンも頷いているし、
隊長ズは、オレとの話を終えると、「「また連絡する!!」」と言って帰って行った。県の調査担当官はとっくに帰っており、残ったのは駐在さん一行だ。
で、駐在さんからは
「今度、車庫のダンジョンに一緒に潜らせてもらえませんか?」とのことだった。
というか、立ち入るだけならばさっき駐在さんは調査で立ち入っているわけなのだが?
「理由は後で話しますが、とある事情により、試しにこの軽トラパトカーで、ルンを連れてダンジョンに入ってみたいんです。自動車がダンジョン内で動かなくなることは百も承知なのですが、なんとか試してみたいんです」
との事であった。
まあ、詳しい事情は分からないながらも、こっちとしても助手席に座っている謎の
少女への興味も無いわけでもない。
それに、地元警察署のダンジョン課の頼みだ。受けないわけにはいかないだろうという事で、結局、すべてのお願いを受け入れた形となってその日のあれやこれやはお開きとなったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます