第127話 2階層ボス
地下2階層の探索は進む。
ダークゾーンや落とし穴の罠を軽トラのおかげで難なくかわし、オレ達はボス部屋と思しき所にたどり着く。
「にゃー、でかい豚だニャ」
「この階層はオークさんが大きくなったのですね」
そこに現れたのは大きなオーク。どうやらこのダンジョンのボス部屋は、その階層に出る魔物の中の一つが巨大化して現れるパターンのようだ。
そして取り巻きは普通サイズのオークども。こちらは9匹×3グループと、1階の大狼を取り巻くコボルドたちと同じ数だ。
よし、まずは相手の力量を図らなくては。
オレ達パーティーの通常フォーメーションである、オレが前衛、美剣とマナミサンが遊撃という体制で敵と対峙する。
「『
先ずはオレが敵を引きつけ、隙を作る。
「『
注意力をオレに向けた取り巻きのオークどもをマナミサンが切り刻む。
「『
「『
大きなオークにオレが盾でひと当てし、ひるんだところに
「おお、やっぱり
見事、美剣が大きなオークの首を刎ねて戦闘は終了する。
「それほどでもありませんでしたね」
「ああ」
「にゃー、物足りないのにゃ」
プチトマトで
2階層のボスですら瞬殺であった。
「で、このタイミングでこれが来ると」
「美剣にもきたにゃー!」
「またみんなでレベルアップですね」
これで美剣が10、オレとマナミサンは7か。
釧路のダンジョンを攻略している自衛隊の部隊は、確かマスタークラスと呼ばれるレベル13を大きく上回っているらしい。
オレ達もだいぶ強くなったとは思うが、上には上がいる。油断しないようにもっと高めていかなければ。
「にゃー、この箱は楽勝なのにゃ」
美剣がドロップされた宝箱を難なく開ける。
その中には、
「やっぱり鍵か」
「このパターンなんですね」
1階層の大狼と同様、初回のレアドロップは大きなカギが出てきた。
他には、大狼より少し大きな魔石と、取り巻きのオークどもの魔石、そしてオーク肉が3つドロップしていた。
取り巻き連中は美剣ではなくマナミサンが倒したのでこのドロップ率だ。
オーク肉を求めるならば、今後は美剣に取り巻きを倒してもらうのもいいかもしれない。
1階層のボス、大狼は初回の鍵以降はレアドロップを落とさなかったので、この大オークも同じである公算が高いからだ。
「でも、この鍵、意味あるのかな?」
おそらくはボス部屋の近くに、この鍵で開けられる扉があるはずだ。
ダンジョン発生時の査定では、このダンジョンはこの階層で打ち止め。
1階層では、その扉の奥には2階層への階段があったのだが、次の階層がない以上、この鍵は不要にも思えるのだが。
「まずは、扉を開けてみないことにはな」
オレ達はボス部屋を出て、探索を続けることにした。
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