第126話 新スキル×
ダンジョン内で栽培? に成功したプチトマトを食べたら、とても甘露だったうえに、なんと体中からチカラがわいてきた。
今なら、空も飛べそうな気がする!
「よし! この勢いでダンジョン攻略だ!」
「「はい(にゃ)!!」」
そしてオレ達は走り出し、数十秒後に軽トラを忘れていたことに気付いて戻り、気を取り直して軽トラに乗りこむ。
よし、まずはあのデカい奴で腕試しだ!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「これほどとは……」
1階層のボス、大きなホネを掲げるとポップする大きな狼と取り巻きのコボルドたち。
もとより苦戦する相手ではないが、それほど楽勝とも言えなかった相手に対し、まさに鎧袖一触。
まずは試しにと一人で吶喊してみたオレは、盾を数回振り回したくらいの感覚で敵を全滅させていた。
敵の動きが遅い。
ひと当てした時の感覚が軽い。
なにより、イメージに対する体の動きにタイムラグがない。
感覚も、身体操作も、最適化されているとはまさにこのことだろうか。
続いてポップさせた敵に向かったマナミサンも
「これは……すさまじいですね」
「にゃー、キャット空中3回転にゃー!」
美剣よ、お前のそのネタはどこから仕入れた?
「どうする? ここでレベリングするか?」
「いや、せっかくですから、未踏破のところをマッピングしちゃいませんか?」
「今宵の爪は血を欲しておるのにゃー」
だから美剣よ、お前のキャラが不安定だぞ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
地下2階層に到着。
このフロアに出る齧歯バニーや大カエル、オークどもを倒しながら探索を続けていく。
「にゃー、このボールは便利にゃけど、あっけなさすぎてからだが
大カエルのレアドロップの『
そのうち、野球の硬球みたいなものを美剣が『投擲』スキルで敵のただなかに放り込むと、爆発を起こして敵の団体が全滅した。
「それに、ボールで倒すとレアドロップは出ませんね。これは、今の私達なら使わず売った方が正解でしょうね」
なぜか、このボールの爆発で敵を倒すと、いくら美剣が倒してもレアドロップは出てこなかった。
オレもラグビーボールの形をした毬を蹴り込んで試してみたが、結果は同じく通常の魔石のみ。
ちなみに、ボールを蹴った時に、あたらしい『蹴術』とかいうスキルは……生えてこなかった。いいよ、どうせオレなんて……。
オレの悲嘆をよそに、マナミサンの『剣舞』や美剣の『必殺』『投擲』は次々と敵を倒していくのであった。
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