第121話 ダンジョン購入条件
民間でのダンジョンの売買。これには、民間同士の売買だけでなく、国所有のダンジョンを民間が買い取るといった事例も存在する。
その場合は入札制となり、最も高価な額を付けた企業が落札するのだ。
なんだ、強欲社長も国もやってることは同じじゃないかと思ったことは内緒だ。
民間がダンジョンを買い取れる条件として、まずは企業や団体の場合。
まずは従業員数301人以上で『法人格』を有していることと、『ダンジョン所有権取得税』と言われる、初回1千万円の税を納める事でダンジョン所有の権利が得られる。
そして、購入しようとするダンジョンの『ダンジョン保全及び攻略計画書』なるものを事前に提出することで、個別のダンジョンの購入交渉が可能になるというものだ。
もちろん購入後は国の監督指導を受け、毎年の計画書と探索報告書の提出が義務付けられる。
ちなみに、べらぼうな額の初回取得税だが、この金額が高いのには訳があり、そのダンジョンを危険なく所有、管理し、適切な攻略及び採取を問題なく行える能力があるという客観的事実を担保するためにはそれくらいの税金を納められる財力が必要だという事らしい。なお、初回の税を払った後は、所有しているダンジョンの評価額に応じた毎年の税金を支払う、つまりはオレの家のダンジョンと同じような扱いでいいらしい。初回の投資のが大変という事だ。
ついで、企業や団体ではない、一般市民がダンジョンを買い取れる条件とは。
個人で買い取れるダンジョンは、安全管理の観点から【脅威度】がCランク以下のものに限られる。他には『探索者資格』を有していること。企業のような初回税は必要なく、購入と同時に年間税額、つまりダンジョン評価額の5割を納めればよい。
なお、【資産期待値】や【成長可能性】の要素については、評価額や販売価格に結び付くが、購入する要件には含まれない。
そしてここからが重要なのだが、探索者支援センターが独自で定める『探索者ポイント』なるものが『一定値以上』で、かつ、『探索者支援センターが認める者』ということだ。
この『探索者ポイント』なる物。ラノベなどによくあるような「冒険者ランキング」のようなものとは違い、あくまでも探索者センターが探索者の資質、能力、貢献度等を把握するための一定の指針でしかない。そのため、その存在は秘匿こそされてはいないが広く周知することもないという事らしい。
では、個人がダンジョンを購入しようとする場合、自身のポイントの多寡はどうやって知りうるのかというと、探索者センターに「照会依頼書」なるものと手数料千円を支払えば教えてくれるとのこと。
で、照会してもらったところ、オレもマナミサンも53ポイントだった。
ポイントの内訳とか、ダンジョン購入が可能になるポイント数とかは公表されてはいないが、所長さん曰く、『捜索に参加して人命救助したので、ポイント数も、センターの承認も問題ない』らしい。
ポイント数の内訳が気になる。
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