第96話 経験値稼ぎと金策
大きなホネを掲げ、1階のボスと思われる灰色大狼と、その取り巻きたちを倒したところ、3人一斉にレベルが上がった。
「やっぱボスだけあって、経験値がおいしいのかもしれん。取り巻きも多いしな」
そういえば、先日魔石等を売りに行った時も、たしか大狼の魔石は税抜きで1個約1万円での買い取りだった。つまり実際の価格は5万円。
これは、経験値だけじゃなくて金策にも使えそうである。
その後も20数回、骨を掲げてリポップさせて瞬殺してを繰り返し、やがてオレとマナミサン、その後数匹で美剣もさらにレベルアップし、美剣がレベル8、オレとマナミサンがレベル6になった。
「さくさく上がりますね。なんか楽しいです」
「にゃー、美剣もにゃんか、首切りがしっかりとしたスキル? になったみたいにゃ」
美剣はこれまで、罠開けとか鍵開けとか、クリティカルが出やすいとか、レアドロップ率大幅アップとか漠然とした能力はすごかったが、明文化されたスキルはなかったような気がする。
それが、
「にゃー、『
なるほど、確かに今までも美剣はクリティカルを連発して一撃死を量産してきたが、実はクリティカルには失敗するときもあった。
それが、スキルを使えば確実にその命を狩れるという。
「いや、美剣。それって、恐ろしいスキルだぞ?」
「そうですよ? どんな強い魔物でも、確実に1ターンに1匹倒せるって、かなり安定感が増しますよ!」
「そうにゃのか? へへっ、美剣、できるおんにゃになったのかにゃ?」
「そうだぞ、美剣。これまでも、これからも、お前は頼りになる奴だ。これからもよろしく頼むな。」
「そうですよ、美剣ちゃん。頼りにしてますからね」
「ご主人~! まにゃみ~! 美剣はうれしいにゃ~!!」
ああ、美剣、泣くんじゃない。猫に涙は似合わないぞ?
その後、もう少しレベルを上げたい気もしたのだが、あまりにも急激にレベルを上げると体の動きや感覚の齟齬が大きくなるかもしれないと思い直し、この日はこれで探索を終えた。
そして、最初の玄室で感激のやまない美剣と便乗したマナミサンに飛びつかれ、そのまま例のアレに突入する。オレも興奮していたのでそのまま流される!
――そして事後。
「先輩? そういえば、コレのあとってレアドロップが出やすいって言ってませんでいたっけ? もう一回なんか狩りに行きますか?」
「にゃあ、美剣はまだまだやれるにゃよ?」
「なあ真奈美、美剣、なんでおまえらはそんなに元気なんだ?」
「「てへっ(にゃはっ)♪」」
若さっていいな……。
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