第95話 大きなホネ
「んー、結局これの使い道って何なんだろうな?」
ここはオレの家の車庫の中にできたダンジョン、その最初の玄室。
オレは、この前の探索で宝箱の中から出てきたとあるアイテムを眺めていた。
「にゃー、これのことにゃね。まるで
「まあまあ、美剣ちゃん。たしかに、これはネコちゃん用じゃなくてワンちゃん用ですものね」
そのアイテムは、通常のドロップ品とは違い、玄室の中に最初から置かれていた宝箱の中にあった。
その宝箱の罠は難易度が高く、美剣が初めてひっかかってしまい、テレポーター罠で下の階層に飛ばされてしまって脱出まで苦労したのだ。
軽トラに
で、そこまでの困難の原因となったのが、今目の前にある「大きなホネ」である。
「ホネと言えば……やっぱりイヌだよな」
「不本意ながらそう思うニャ」
「イヌと言えば……灰色の狼さんとか、コボルドさんも……あ、腐ったコボルドさんもですね。」
「あんな大仰な罠の、
「そういえば、隣の部屋にでかいイヌ野郎がいたにゃね。」
「やっぱりそこが一番怪しいよな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ということで、大きな灰色狼の出た部屋、おそらくは地下1階のボス部屋にやってきた。
「いないのにゃ」
「うーん、一度倒すともう出ないタイプのボスらしいな」
「あ、もしかしたら!」
マナミサンがなにか思いついたらしい。
「もしかして、このおホネさんをここで使えば……」
マナミサンは大きなホネを掲げた!
―なにものかにであった!―
「びんごですぅ♪」
「でかイヌ野郎が出たニャ」
「なるほど、ボスの灰色大狼をリポップさせるアイテムか」
マナミサンの手に握られた大きなホネは、まだそのままだ。という事は、何度も使えるという事。
まあ、何回か使えば砕け散ってなくなるのかもしれないが、これでボスと何回も戦えるというわけだな。
「
気合と共に繰り出された美剣の爪の一振りによって、大狼の首は胴と切り離された。
この前は結構手古摺った相手に一撃死を決めるとは、見事なクリティカルだ。うん。
一緒に出てきた大量の取り巻きのコボルドたちをマナミサンの『殺陣』とオレの『盾攻撃』で瞬殺すると、あの感覚がやってきた。
「お、きたな」
「わたしも来ました!」
「にゃー! 美剣にも来たニャー!」
3人ともレベルアップしたらしい。
これで、オレとマナミサンはレベル5、美剣はレベル7となった。
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