第92話 3回目の売却

「わーい、お出かけニャ」


 ネコカゴに入った美剣みけがご機嫌だ。

 

 遊びに来ていた姉たちも帰り、日常の落ち着きが戻ってきた。


 今日は、例によって探索者支援センターに行って、もろもろの売却と装備の更新だ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「合計で、210万3千6百円のお渡しになります。」


 おお! 200万超えたーー!


 まあ、今回はたくさん持ち込んだからな。




 ちなみに内訳としては、


・灰色狼の魔石(税抜き約2,000円)が251個と、レアドロップの毛皮(税抜き約4,000円)が45枚。

・スライムの魔石(税抜き約2,000円)が55個、レアドロップのジェル?(税抜き約8,000円)が10個。

・コボルドの魔石(税抜き約4,000円)が70個、レアドロップのこん棒(税抜き約400円)が32本。

・アンデッドコボルドの魔石(税抜き約4,000円)が45個。

・オークの魔石(税抜き約5,000円)が48個、レアドロップのオーク肉(税抜き約1,600円)が10個。

・齧歯バニーの魔石(税抜き約4,000円)が56個、レアドロップのウサギ牙(税抜き約2,000円)が13本。

・大カエルの魔石(税抜き約5,000円)が16個、レアドロップの金鞠きんまり(税抜き約10,000円)が4個。

・ボス灰色狼の魔石(税抜き約10,000円)が1個。

・お正月のお年玉(税抜き10,000円)が5枚

 

 こんなところだ。

 

 なお、ポーション類は回復8本、解毒が3本出ているが、これらは売らずにストック。

 同様に、オーク肉も多数出ているがほんの少ししか売りには出さずに置いた。もちろん自分たちで食べる為だ。


 スライムのジェル? 売りましたとも、ええ。

 まあ、マナミサンと美剣が共謀して何個か隠し持っているようだが。


 


 あと、変わりだねというか、なぜか大カエルが金色のボール? を落とした。


 このボール、一個一個形が違い、不思議なことに既存のバレーボールとか、バスケットボールとかと同じ規格なのだ。


 なんでも、刺激を与えるとごくまれに時間差で爆発を起こすそうで、与えた刺激の強さや質によって爆弾の強度が変化するらしい。

 

 これを利用して、自衛隊ではスポーツが得意な隊員が、たとえばサッカーでは足に魔力を込めて全力で蹴ればそのボールは敵集団の中で弾けて範囲攻撃になるという。 

 

 そのためか、サッカーボールやラグビー、アメフトのボール、あるいは野球の硬球やバレーボールなど、速度と威力を出しやすいボールの需要が高いのだとか。


 ほかには、芸人達の出るテレビ番組では、あえてこのボールを使って通常の球技を行い、ボールを爆発させたら相手チームに高得点が入るというロシアンルーレット的な競技が受けているんだそうだ。

 もちろん、ボールに与える刺激を調整して安全に配慮はしているのだろうが、怪我をする芸人も現れて一種の社会問題化し、子供たちが真似をしないように学校やPTAでは通達を出しているらしい。そもそも一般に販売はされないだろうが、どこからか禁じられたものをゲットしてくる子供というのは昔から一定割合いるものだ。


 


 さて、この200万。5割をパーティー共通費として約100万円。前回の売却金と使用分を差し引いで共通費は合計約120万ほどになった。


当然、買うものは決まっている。

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