第79話 パンク
テレポーターによって飛ばされたオレたちは、未知のフロアの中を軽トラに乗って進んでいく。
「玄室に入ると魔物と出くわしやすいから、まずは回廊部分から周っていこう。」
マップは進んでいけば埋まるが、問題はこのフロアの敵がどれだけ強いのかという事だ。
ゲームの中でも、同じように罠にかかった時等は、石の中は免れても飛ばされた先の強い魔物によく瞬殺されて
通路の扉を開けなくても周れる範囲のマップを埋めていく。
といっても、それでは移動できる範囲は限られるので、あっという間にその範囲のマップは埋まってくる。
「そこの角を曲がると行き止まりっぽいですね」
「まあ、行ってみないと何とも言えん」
そして、曲がり角を曲がる。
―なにものかにであった!―
「うさぎだにゃ」
「ずいぶんと歯がご立派なうさぎさんですね」
「気をつけろ! こいつら、首を狙ってくるぞ!」
そう、この
「人型じゃないので『
ウサギ共は合計13匹。今後の事を考えると魔法はもったいない。
よし、幸いウサギどものサイズは通常のより少し大きい位。これくらいならば、軽トラで轢いてしまえー
プシュゥ~
「なっ! パンクだと!」
しまった、油断した!
ウサギの歯が刺さって軽トラのタイヤがパンクしてしまった!
軽トラの『結界防御』で相手の攻撃は大丈夫だと思っていたが、どうやら轢くときに丁度ウサギの歯が刺さる角度になってしまったらしい。
こちらからの攻撃の時は『結界防御』は作動しないのだ。
パンクしてもホイールをゴリゴリいわせて走行できないことはないが、速度はほとんど出せない。それに、予想が正しければここは地下2階。
軽トラの自動修復が出来る『
ということは、軽トラをこのフロアに置いて、徒歩で脱出しなければならないことになる。ハードルがまた一段上がってしまった。
「とりあえず、目の前のウサギ共を片付けなきゃな」
美剣の攻撃はウサギの首を狙うが、人型と違って的が小さい。それに、ウサギの毛皮が爪の斬撃を滑らせ、なかなか一撃では有効打を入れられず苦戦している。
マナミサンも、
オレはと言えば、盾の面での攻撃は、『
そうして、時間をかけてウサギ共を殲滅した後、そこに宝箱が残されていた。
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