第76話 オーク肉
オレは悲しみに暮れながらもオーク達を盾で倒していった。
さすがに、10体を超えるオークを盾の技だけで倒すのには時間がかかるので、途中からはマナミサンと
で、目の前にはオークのレアドロップ品が転がっている。
「今日の夕食ですね。そのまま焼いた方がいいでしょうか」
「にゃー、分厚く切ってほしいニャー」
オーク肉である。
このオーク肉は全国的に有名なオークのレアドロップ品であり、その味の良さから人気は高い。
探索者支援センターのレストランのほか、卸売りされて一般の食堂でもメニューにその名が刻まれている。
また、主に探索者センターの売店で売られているオーク肉の角煮の缶詰は酒のつまみによし、おかずによし、お弁当によしと幅広い人気を博し、家族のようにかわいがっているペットに与える人も多い。
ドロップ時に床に転がっているのは不衛生では? という指摘も時々あるが、その心配はご無用。なんと、ちょっと高級なお肉屋さんのように、木の皮のような紙に包まれてドロップするのだ。経木? 硫酸紙? とかいうらしいが詳しくは知らない。
精肉店で売っているような包装紙に包まれたオーク肉を拾い、軽トラの荷台に『収納』する。
「そういえば、この『収納』って、中での時間経過とかあるのかな?」
「しまったまま忘れて腐っちゃったらいやですね」
「腐ったのは勘弁なのにゃー」
「あとで検証する必要があるな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次の玄室でも多数のオークが出現し、肉を目当てに美剣に多く倒してもらう。
「オークのアンデッドも……存在するのかしら」
「ドロップ品が腐った肉なんて嫌にゃ」
「まさにドロップが
「アンデッドの事は考えないようにしよう。このダンジョンはオレたちの思考を読んでくるかもしれないぞ」
マナミサンのダジャレ? はスルーしてしまった。
はたしてオークのアンデッドは……出なかった。今回は。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「このフロア、どれだけの広さがあるんだろうな」
「マッピングの方眼紙、付け足さなきゃ足りないですよね」
当初の予想としては、某線画のダンジョン系ゲームに寄っていると思ったので20×20マスの広さではないかとも思っていたのだが、このペースだと40×40マスでもどうかというところだ。まあ、きっちりマスが正方形で埋まるという事があるかもわからないのだが。
当初の査定では、このダンジョンは2階層らしいので下に向かう階段がどこかにあるはずなのだがまだ見つかっていない。あくまでも査定は
「次の
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