第75話 チックショー
ダンジョンの探索を再開した。
「ご主人」
「なんだ」
「ご主人も新技覚えたって言ってなかったかにゃ?」
「ああ。けど、お前らのとは違ってかなり地味だぞ」
「見たいのにゃ」
「次の
次の玄室の扉を軽トラで押し開ける。
ここから先は初めて足を踏み入れる場所だ。気を引き締めていかなければ。
―なにものかにであった!―
「豚野郎だニャ」
「オーク……だな」
「
「いやいや、そんな展開にはならんから」
――ダンジョン内では、アレをしても妊娠することもなく、快楽が通常のそれより何倍にもなる。
それを悪用した犯罪まがいの行為も横行しているのだが、他にも、その特質を自分の趣味に活かす輩も現れているという。
例えば、中層以降に出現するといわれるサキュバスなどはその最たる例だ。
サキュバスプレイを求めて延々と探索を繰り返す男性パーティーも少なくない数が存在するという。
ちなみに、エナジードレインはしっかりとされてレベルが下がるし、やりすぎると命の危険まであるというスリリングな快楽でもある。
それがいいと言い張る一部好事家たちは、もはや通所のソレではイけないようである。
で、その女性バージョン、インキュバスホストツアーというのも存在しているようで、こちらは喪女たちがこぞって参加しているという。
しかし、喪女たちでは悲しいかな戦闘が苦手なものが多く、その大多数はインキュバスのいる中層まで歩を進めることが出来ない。
ならば、そういった喪女やビッチたちはどうするのか。
低層にでる、オークやゴブリンにそれを求めるのだ。
インキュバスのそれより大きくて太かったり、入れ替わりたち変わり複数に同時に攻められたりと、特定の嗜好を持った人にとっては好評らしい。
「私はごめんですよ? 先輩じゃなきゃ嫌です」
「美剣だって同じだニャー」
「そっちの話題から離れろ!」
なぜこうなった。
もともとは、オレの新技の披露の話だったはずだ。
「じゃあ、行くぞ。新しい技、『
え? 以前も盾で攻撃していなかったかだって?
そう、以前も盾の下端を打ち付けて敵に打撃を加えたりしていた。
だが、それが進化したというか、同じ攻撃方法でもスキルとしての威力の大幅な上乗せが出せるイメージがわいていたのだ!
ドシュッ
オークの1匹は、盾の表面に弾かれ光の粒子となり、もう1匹は盾の下端で打ち据えられて同じく光の粒子となる。
「おー、一撃ですニャ」
武器でもない、防具である盾での攻撃でここまでの攻撃力が出せるのは、さすがスキルの恩恵なのだと思う。
しかし、オレは微妙に納得できていない。
その理由は――
美剣は忍者、マナミサンは侍。
となったら、オレは『
回復魔法が生えてきて剣のスキルも取得するとつい先日まで信じていましたとも。ええ。
これってつまり、オレは通常職の『戦士』ってことなのかー!
チックショー!!
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