第68話 修理基地
アンデッドコボルドは、マナミサンが火魔法で6匹ほど倒したが、そこで打ち止めになってしまった。
玄室には、まだ7匹ほどの敵が残っている。
ここで、オレの新技も披露したいところではあるが、いかんせん、オレの技では臭い汁が飛ぶ。
という事で、軽トラに乗って撥ね飛ばす。
その分の経験値は入らなくなるが、魔石は回収できるからな。こんどからアンデッドはこの方法で倒そう。
だが、ことはそううまくはいかなかった。
「あーあ、フロント部分がベコベコだ」
軽トラには『結界防御』があるから、どんなにぶつけても大丈夫だと思っていた時期がオレにもありましたが、『防御』ではなく『攻撃』の時はどうやら適用されないようなのだ。なかなかすべてがうまくはいかないものだ。
スライムをタイヤで轢き潰すのとは違い、相手はぐちゃぐちゃに肉が腐って溶けているとはいえ、骨格のある人型の魔物。
で、『結界防御』が働かない状態で人型のモノを軽トラで轢いたのならば、軽トラにもダメージが乗るわけで。
「うーん、こうなったら意を決して外に持ち出すか。安い板金屋ってどこだろうな?」
軽トラを修理するために、ダンジョンの外に持ち出すことを真剣に考える。板金塗装の修理を業者に依頼しなくてはならない。
でも板金だと「叩き」を攻撃と捉えて結界発動しちゃうかな? そうなるとパーツ交換しないと修理は不可能という事になってしまう。それはとてもお金がかかりそうだ。
近所に
ダンジョンの入口扉が両開きだったことが判明し、軽トラを地上に出すことはできるのだが、その『収納』と『防御結界』の能力が地上でも生きていて超戦略級の兵器にもなってしまうため、秘密の暴露を恐れて外には出さない方向だった。
それに、なぜかそのとき乗っていた美剣まで外でも人型のままになっていて、その原因もわからずじまいだ。他にも何が起こるか分からない。
せめて、美剣の現象の原因でも分かれば少しは安心するのだが。
そんなことを考えながら、最初の玄室に戻ってきた。ここにはダンジョンの入口のほか、ダンジョンが出来た時に軽トラと一緒に巻き込まれた車庫のコンクリートの床も残っている。
なんとなく、そのコンクリート部分に上に置くのがおさまりがよくて今までもそこに停めていたのだが、今日も同じように停めたところ、いつもと違う現象が現れた。
軽トラが、その床も含めて淡く光を発し始めた。
へこんだフロント部分が、べこん、ベコンと音を立てて、ゆっくりと直っていく。
「これは……
どうやら、車庫の床も【異質化】していたようである。
まるで修理も出来るガレージのような感じ?
「おお、なんかテンションあがるぅ! この床の名前何にしよう? やっぱりメ○ドック? それともラビア○ローズ? それとも所〇ョージの世田〇ベース?」
ということで、軽トラは無料で修理できたのである。
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