第61話 2回目の売却
「わーい、お出かけニャ。」
「ネコカゴって、シートベルトいらないのかな?」
「チャイルドシート……でもないでしょうしね……」
「
「わたしが抱っこしてますから大丈夫ですよ」
「そうだな、車の中でまでネコカゴに入っている必要はないのか」
「にゃー、まにゃみのふともも、あったかいのにゃー」
「あっ、美剣ちゃん! スカートの中はだめですよぉ。あっ、だめですってばぁ~!」
「おとなしく座ってろ!」
今日は探索は休み、探索者支援センターへ魔石を売りにマナミサンの車でお出かけだ。運転はオレ。
魔石のほかにも、美剣のおかげでいろいろなレアドロップ品が手にはいったので、怪しまれない程度の数を売る予定。
「お昼ご飯どうします?」
「にゃー、センターのレストランの、マンガ肉食べてみたいのにゃ」
「あそこ
「むー。田舎はネコに冷たいのにゃ。もっと猫の入れるお店を増やしてほしいのにゃ。」
ペットの入店はOKでも、一緒に食事出来る所となると都会でも少ないのではないだろうか?
「お、着いたぞ。美剣、ネコカゴにハウスだ」
「はいにゃ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「スライム級の魔石が200個、コボルド級のが30個で、税を抜いてお渡しが計54万2千円。灰色狼の毛皮が32枚で同じくお渡し12万8千円。コボルドのこん棒は、12個で4千8百円で、合計67万4千8百円のお渡しになります。」
こん棒安っす! 一本手取り400円かよ! という事は、本来の買取価格は2千円という事か。ダンジョン産の武器なのにこんなに安いのか。
というわけで、コボルドのレアドロップはこん棒でした。レアドロなのに、通常ドロップの魔石の10分の1の価格と、とっても損した気分である。
その理由は、結構ドロップ率がよく、10匹倒せば確実に1個は手に入る。
そして、こん棒に武器として使うメリットがない。素材はダンジョン産の木材なのだが、攻撃力は鉄の棒の方が強いという微妙さ。
それでもお金を出して引き取ってくれるのは、なんでもダンジョン産の木材なので木炭に加工すると、とっても火が付きやすく火持ちのとっても長い上質なものが出来て、ダンジョン内での調理のみならず一般のアウトドアにも好評なのだとか。
そう考えれば、太い木の棒一本が2千円で売れるのは高級木材となるのだろうか。しらんけど。
ちなみに、探索者支援センター内のレストランで出されるマンガ肉は、この素材を使った木炭で焼かれているらしい。分厚い肉でも火が通りやすいのだとか。というか、センターのレストラン、屋内で炭火使ってるのか。今度夜の部の居酒屋にでも行ってみたいな。
ということで、今回は約一週間でおよそ65万円の収入。
やはり、レベルアップの恩恵はとんでもないな。前回よりも2倍以上の数を売ったのだが、売店のおばちゃんも勘ぐったりしてこない。というか、レベルが上がった人達にとってはこれでも少ない方なのだろう。これなら、次は美剣が稼いだ魔石を全部放出しても問題ないな。レアドロは別だが。
と、まあまあな収入を稼ぎ、けっこう順調なのではないだろうかと思った次第である。
ちなみに、マナミサンの刀の購入は次回以降の売却時という事で保留した。
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