第31話 魔法、レベル、職業

 魔法については前半の座学部分で講義があった。


 まずは、魔法についての前提段階、レベルの概念についての理解が必要だ。

 

 ダンジョンの中では、ゲームなどと同じように『レベルアップ』が存在する。だが、今自分がどのレベルなのかは確認することはできない。ゲームのようにステータス画面もなければ、物語の中のようにレベルを表すギルドカードのような物も存在しないからだ。

 

 ダンジョンの中で魔物を倒していくと、「あ、今レベルが上がったな」とわかる瞬間があるらしい。

 その回数を数えて、今自分がレベルいくつという事は言えるのだがその上がり方には個人差が大きく、パワーが大きく上がる者、またはパワーは少ししか上がらず俊敏さが上がる者など千差万別であるため、レベルが上がった回数は強さの目安としてしか意味がないとのこと。

 ゲームのように、自分の強さを数値パラメーターで確認することはできず、あくまでも個人の実感としてとらえるしかないようなのである。

 ちなみに、このレベルアップはダンジョンの外に出るとそのステータス上昇分や魔法の使用といった能力は失われてしまうが、再度ダンジョンに入ると復活するらしい。なお、戦闘の勘や体捌きの技術などは残るので、ダンジョン内で強くなることにも一定の意味はあり、武闘家などがダンジョン内で戦闘訓練を行うことは決して無駄ではない。


 で、そのレベルが上がった瞬間に、魔法を習得することがある。必ずしも全員が習得できるわけではなく、また、習得する魔法の系統も個人によって差があるとのこと。

 不思議な点は、その習得する魔法はその個人が最もイメージしやすいもの、たとえば某ド〇クエにはまっていた人が覚える爆発魔法はイ〇ナズンとなり、ウィザー〇リィにはまっていた人の場合はティルト〇ェイトというふうに発現するらしい。

 これは、魔法を発現させるにはイメージの力が大きな比率を占めているからではないかという推論が支持されている。


 ということで、探索をある程度進めてみなければ、自分が魔法を使えるのかどうかはわからないといった現象になっているというわけだ。


 また、レベルアップ時には魔法の習得と同様、剣や弓の技などの戦技や、回避率、罠の発見や解除といった特殊技能も習得、あるいは上昇したという実感を覚えることがあり、これによって、探索者には何かしらの『職業』が割り振られているのではという説が有力だ。

 これも魔法と同様、本人のイメージ力が関わっていたり、あるいは地上で習得していた格闘技に準拠したりと個人によるバラつきが大きいとのこと。

 また、転職が可能なのかという点などは、ダンジョン研究家やネットの掲示板などでも侃々諤々の議論が繰り返されているところである。





 んー、ラグビー経験者で盾を扱うオレの職業っていったい何だろう?

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