第16話 朗報
世間はGWを堪能してる中、萌歌もようやく貴重な2日休みに突入した。
既にこの大井川地域には、ツーリングに来ているライダーや観光客が沢山いるので普段混まないような道路も交通量があった。
萌歌は、せっかくの休日で天気も良いのでバイクで出かけようと思ったがわざわざ混んでるとわかっていて出かけるのも気が引けると思った。
そんなことを考えながら卓袱台に突っ伏していると、家の電話が鳴った。
萌歌は番号を確認すると、従姉妹の姉の愛琉からだった。
『もしもーし、萌歌って今日休み?聞いたわよ!免許取ってエイプ乗ってるんだって??水臭いわねぇ、アタシにも教えなさいよ〜』
そういえば愛琉には免許取得したことを伝えてなかったが、別に嫌ってるからとかそういう訳ではない。
単純に連絡手段が家の固定電話しかない萌歌は、連絡をするのが面倒くさかっただけだ。
「今日は、私に何か用でもあるの?」
萌歌がそう聞くと愛琉はスマホを新品に機種変したから以前使っていたスマホがいらなくなったらしく、萌歌に譲ってくれるらしい。
萌歌自身も働くようになって、外で連絡を取れないことに不便を感じていたし購入を考えていたから願ってもない朗報だ。
「スマホ欲しいと思ってたから、貰えるなら凄く助かるよ」
萌歌がそう言うと愛琉は直接会って一緒に携帯電話通信キャリアの店舗まで契約するのに同行してくれるらしい。
「それじゃ、集合は島田にある携帯ショップね!」
愛琉はそれだけ言うと電話を切った。
島田の携帯ショップと言っても、萌歌の住む川根本町青部からは約1時間はかかる。
まさか初めてのバイクのソロツーが携帯契約の為になるとは萌歌自身も思わなかっただろう。
まぁ…そもそも携帯ショップまで1時間かかるなんて稀なのだが…
萌歌はそうと決まれば、祖父の宗次郎が生前使っていた静岡県内の地図を持ち出してくるとルートと携帯ショップの場所を確認した。
これはこれで楽しいプチツーリングになるだろう。
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