第15話 カバンの中

「私」「なぁ?なんか怖い話無いの?」


「友人」「怖い話?…まぁあるよ」


「私」「ゲームしてても暇だから教えてくれい」


「友人」「あんまり話たくないけど…まぁええわ」


これは2年前に体験した話。


これだけは絶対に死んでも忘れない。




















「友人」「さみぃ~」


当時俺は、中部地方の田舎町のボロアパートに住んでおり、冬になると凍るぐらいか寒かった。



ある日の深夜――






















「友人」「…なんか臭くね?」


ボロアパートの為、よく近所のご飯の匂いが入ってくることはあったが、ここまで臭い臭いは初めてだ。


「友人」「ッ!」


今でも何故あのような行動を起こしたのか分からない…


俺はいてもたってもいられず、その臭いの原因を探そうと、外に出ていた。


そして――




















「友人」「ゴミ捨て置き場…!」


「友人」「このカバン臭ェッ!!!」


その臭いの原因はゴミ捨て置き場に捨てられていた、大きな黒いカバンだったのです。


「友人」「生ゴミ詰めてカバンごと捨てたのか?」


気になってカバンを開けようとした…




















その時――




















「???」「そこで…何をしているんだい?」


「友人」「――ッ!?」


ボロボロの服を着たおじいさんに声をかけられた。


「友人」「え!?あぁいや…なんか変な臭いがするなぁ…って」


「友人」「でっでは!」


「おじいさん」「…」





















「私」「なんでお前、すぐに引き返したんだよ」


「私」「カバンの中身、見てないのかよ?」


「友人」「あぁ…見る気になれなかった」


「友人」「あのじーさんの姿を見たら」


「私」「姿?」


「友人」「あのじーさん…!」





















「友人」「血まみれだったんだよ!」


「友人」「外灯で照らされた顔が…もう人間じゃねぇ!ってぐらいイカてた…」






















その後…ごみ収集車の人が、カバンの中身からおばあさんのバラバラ死体を発見し、数日後に友人が遭遇したおじいさんが、殺人及び死体遺棄で逮捕されたという。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る