第9話 石

俺は子供の時に、川で石を拾っては家に持ち帰っていた。


まぁ幸いじいちゃんの土地だったから、取り放題だった。



ある日の夕方――



いつものように石を拾いをしていると…



「俺」「なんだろう…この石」


見た目はただの石なんだが、何か不思議なエネルギーを感じるような…見た目の割には重い石だった。


今日の収集は、この石だけだった。



とにかく不思議な石だった…



学校から帰ってきては、他の石など目もくれず、ただひたすらにこの石だけを見続けていた。



ある日の夜――



夢を見た…



下にいたみすぼらしい女が、数人の男達の手によって、大きな岩を頭上から落とされ…



破裂する夢――



「俺」「ウワァァァ――ッ!!?」


「俺」「ウッ…(ぺ…ペシャンコに!?)」



ゴトッ!



「俺」「ッ!!?」


その時…例の石が棚から落ちた。


「俺」「…」


寝起きだし子供だったから、こんなこともあるのだろうと思い、そのまま寝た。



そしてまた夜が訪れる。



昨日の出来事など、すっかり忘れていた俺はすぐに眠りについた。


「俺」「…!?」


「俺」「え?…ここって!」


俺は夢の中で、昨日の夢に出てきた女がいる場所へと来ていたのだ。


「男」「オラッ!さっさと歩けってんだ!」


「女」「…ッ!」


「俺」「あの人って…昨日の」


夢に出てきた女が、昨日と同じ場所で座らされ、男達が岩を落とそうとしていた。


「女」「…!」


女が近くにあった石を握り、日本語とは思えない何かをドスが効いた声で呟く。


「女」「――――」


「男」「死ね!女狐!」



ブッシャァァァァァァ――ッ!!!



「俺」「――ハァッ!!?」


「俺」「ハァハァハァ…夢か」



バキバキッ!!



「俺」「ウワァッ!!!」


拾っていた石が…
















あの女の人のように…粉々に砕け散っていた。


じいちゃんも知らなかったのだが、その後大人になって調べ尽くしたところ、あの場所は…
















何らかの罪を犯した遊女が、処刑されていた処刑場だったらしい。

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