第21話、間接的な遭遇
「誤解は解けたかな?
「ははは、ごめんごめん。ルルちゃん天使みたいに可愛いから心配なのよ」
天使どころか小悪魔・・いや世界を滅ぼした魔王だぞ。
「そもそも何でこの子が俺の事を知ってるんだよ」
「ああー、それね・・リリと二人でこの前のダンジョン探索の話をしててね、あの子が藤原君をメッチャ褒めるから興味を持ったんでしょうね」
「お姉ちゃん 私もダンジョン行きたい。このお兄ちゃんに教えてもらうの」
ぷっ、この魔王、幼女のネコかぶってやがる。
〈我を笑うとは良い度胸だ。
この場で「お兄ちゃんにキスされた」とでも言ってやろうか〉
〈悪魔か‼
いちいち脅迫するな、汚いぞ。そもそも何で念話が使えるんだよ〉
〈失敬な 悪魔では無い、魔族の王ぞ。
それに汚いとは今更だな、人間の弱点を突くのは我らの
ぐぬぬ
せっかくこの世界に来たのに・・何でこんなのばっか集まるかな。
「茉莉野 さん、分かってくれたならコレ連れて帰ってくれ。俺は小さい子供は苦手なんだ」
〈コレとは失礼な、もっと淑女な我を敬わぬか〉
〈ぷっ、淑女?10年早い〉
〈ふっ、魔導士よ、お主 女の子にもてないであろう〉
〈うっさいわ、・・・大きなお世話だ〉
「はは、藤原君はルルちゃんが弱点なのか。良かったよー
隣人がロリコンの変質者じやなくて・・にゃはははは」
「隣人?何の事?」
「そっちこそ何言ってるのさ、
隣の家が茉莉野さん家?マジか。
まさか俺〈女の子をストーカーして引っ越して来た危ない奴〉と思われてたの?。
さらに今回は変質者疑惑まで追加されてた、と・・。
どうりで先日の探索では初対面のはずの
魔王が幼女の足でこの家まで来れたのも納得した。
「じゃあね、お兄ちゃん。また遊びに来るね」ニコーーッ
ぎゃーっ、もう来るなぁ。(心の叫び)
姉妹はニコニコ手を繋いで帰って行った。つかれた・・
俺は何という魔界に引っ越してしまったのか。
「あっ、懐かしい。まだこのゲーム続いてたのね」
ん?そうだった。オンラインゲームにログインしてたの忘れてた。
「・・・そう言えば 豊条院 さん。何故ここに居るのかな」
「兄様、水臭い。芽芽と呼んで欲しいのじゃ」
「・・・・札幌に帰らなかったのか?」 じとーっつ、
変だな
ダンジョンで助けられてから半月は経っている。観光にしても長すぎだろう。
「兄様のいけず、会いたくて来たに決まってるのじゃ」
「で、本音は何だ?。後でサプライズ・・とかオチは要らないからな」
「むぅっ、つまらぬのぅ。今日来たのは引っ越しの挨拶じゃ。
近くにパーティハウスを建てたから引っ越して来たのじゃ。・・嬉しいじゃろ♡」
・・・・なん、だと‼
ひょっとして、最近建ててたあのデカイ家かな・・?
「ちょうどいいタイミングで七飯ダンジョンの規模が大きくなったからの、パーティの活動拠点をこっちに移すことにしたのじゃ」
したのじゃって、そんな簡単に・・。大騒ぎになるだろう。
彼女達の熱烈ファンのヤンキー共も追いかけて来そうだぞ。
「ときに兄様、ゲームキャラが他のプレイヤーから攻撃されておるぞ。何か恨みでも買っておるのかの?」
「まさか、俺はずっとソロだし、他のキャラとの付き合いなんて無いぞ。
と言うか、それ以前に このゲームはフィールドでPVPなんてできないだろ」
「兄様 ゲームでもぼっちなのじゃ」
ほっとけ
モニターを見てみると確かに攻撃されとる。
ただしヒットしないからモーションだけのパフォーマンスにしかならない。
相手のキャラは変なドラゴンに乗った騎士、ルーンナイトだろう。
はて?そんなキャラの知り合いは居ない。
カーソルを相手に合わせて名前を表示して・・驚いた。
キャラの名前が〈イセカイノメガミ〉・・まさか異世界の女神?
そう言えばダンジョンのスキルを司る神様は異世界から遊びに来ていた女神のはず。
そして、その女神はオンラインゲームにはまっていたとか聞いた・・・まさかなぁ
となりで見ていた芽芽も無言になってる。
試しにプライベートチャットをひらいてみる。
〈やっと気が付きおったか、ばちあたりめ〉
いきなりな挨拶だな。
「ひょっとして神様に成りきったイタイ縛りプレイヤーなのかも」
〈失礼な事を言うでない転生者、いや 深淵の引導師か。ぷぷっ、恥ずかしかろう〉
「うむっ、兄様の恥部を突くとは この性悪な性格は女神で間違いないのじゃ」
〈性悪って、お主も大概失礼ですわ。ヘタレ勇者のくせに〉
すげえ、こっちがチャット打ち込んで無いのに会話が成り立ってる。
間違いなく普通のプレイヤーでは無い。さすかみ
「私がヘタレとな、取り消すのじゃ。ヘタレっていうのは兄様みたいな男の人に使う言葉じゃぞ」
〈お主が魔王を討伐せんかったから世界が消滅して我も帰れなくなったであろう。
世界を救えなかった勇者など臆病なヘタレであろうが〉
「ふざけるな、お前が女神なら見てたじゃろうが。
王都の全てを邪竜の猛毒ブレスから守って死んでしまった兄様に王や貴族共が何と言って罵ったかを。うっうっ・・あんな世界、誰が助けてやるものか」
俺の死因が判明しました・・そのへんの記憶が全然無いんだよね・・ははは。
元妹よ、オレをディスった後に泣くんじゃない。よしよし。
「ま、こうして声が聞こえているなら女神様、魔法使いに対するスキル低下のデバフ止めて欲しいのですが」
〈ふんっ、大声で「このクソ女神のバカヤローぉぉぉぉぉ」と悪口を叫ぶ者の願いなど聞く訳が無いであろうが、バカめ〉
ダンジョンで確かに叫んだわ。女神のくせに地獄耳だ。
〈とは言え、ゲームと同じでレベルが100まで上がれば特性も魔導士に変化する。
其処まで行けば制限など無くなる。以前のように凶悪な魔法も使えるぞ。
深淵の引導師よ、お主は外でも魔法が使えるであろう。
前世の魔法が有ればこの世界をも滅ぼせるぞ。それを望むか?〉
人は力を持つと使いたくなる・・というやつか。
戦争をしでかす人間はそのパターンだよな。
それでも 核兵器は広島と長崎の後は実験以外まだ使っていない。
大きすぎる力は自分をも滅ぼすと知ってるからだ。最終兵器は自殺兵器でしかない。
オンラインゲームをはじめエンタメが楽しめるのは平和な世界が有ればこそだ。
前世の魔王が力を使って行き付いたは絶望であり、自ら命を絶った。
俺がその力を持ってそれを使うか?愚問だな。
〈ふふふっ、そうか。ではな、魔導士(゜゜)ノノ。またログインするが良い。
たまには話し相手になろうぞ〉
女神は言いたい事を言ってログアウトした。いや、逃げた。
俺の腕の中では血の繋がらない元妹が今も泣いているんだぞ。
どうしろと・・・・
うっ、うるさい、ヘタレ言うなし
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この場を借りて御礼申し上げます。
最近少しずつ読んでくれる方が増えてきました。
ありがとうございます。
ものすごくアクが強い文章なので嫌いな方も多い事と思います。
暇つぶし程度に思ってください。
この文章はパソコンのブラウザーで読み易く作っているつもりです。
他の機種では読み難いかもしれません。お許しください。
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