明るかった樹の下で
ねくしあ@7時9分毎日投稿
「私の好きと思い出」
私はこの場所が好きだ。
青々とした草原、爽やかに広がる空。寝転がる私の後ろには大きな木があって、大きな日陰の中でゆったりとした時間を過ごすのが好きだ。
胸いっぱいに息を吸い込めば、穏やかで清々しい気分になれる。
「あっ――」
葉っぱが私の顔に落ちてきてしまい、思わず声を上げる。
この木は私が子どもの時から、いやそれよりずっと前からあるが、ここ最近は少し寂しさを感じるようになってしまった。
今までより落ちる葉っぱの数が増えていっているからだ。
何十年も、晴れる日には必ずここへ来ている。
「昔は、色んな人とここに来たなぁ」
気づけばここに一緒に来る人はいなくなっていた。
そんな彼らを、目を閉じて懐かしさを思い出すのも、またいいものだ。
こんな時間も、もうすぐ終わりを迎える――そんな事を思えば、誰だって寂しくなって当然だろう。
残された時間を私は大切に過ごす。
だって――明日には戦争が始まって、ここには何も残らないから。
明るかった樹の下で ねくしあ@7時9分毎日投稿 @Xenosx2
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