第弐十七話! ばななちゃんの使う野球バットは軟式の木製バット! 非常に軽く、ハーレイと名付けてる!
「ば、ばなな!」 なんでコイツがここに?!
「ちゃんまで・・・付けろよ!」いてててぇ! 体重バットに乗せ、もたれかかる!「あーしに失礼だろうが」
「な、なんでここにいるのよ?!」
「お前らが乱闘騒ぎ起こしたゲーセンの隣のカラオケ、あれあーしらのシマだから。なんか外で騒がしいな~って思って見に来たら、
「いつまでもたれかかってんだよ!」腹の上のバットを平手で勢いよく弾き飛ばした。
「うえァ!」バランスを崩して俺の上にばななちゃんが落ちてきた。
「離れろォ!」すぐに払いのけて、距離を取って立ち上がる。
「お、お前な! こんなにかわいいフォロワー100万越えの女の子ぞんざいに扱ってんじゃねぇよ!」
「だから何だよ、ヤンキーの扱いなんてこんなんでいいんだよ!」
「言ってくれるねぇ・・・喧嘩する理由にはちょうどいいけどさぁ」
「ちょうどいい、初めて見た時から気に入らねぇと思ってた」お互いに一定の距離を保ってにらみ合う。タイマンの準備は整った、後はどっちが先に仕掛けるだけだ・・・
「へ、へっくしょん! ごめん・・・」合図は以外にも唐突に始まった、会長のくしゃみと共にばななちゃんに向かって走り出し、飛び蹴りを喰らわせる!
「はぁあ!」惜しくもかわされ、着地を狙われバットを振りかざして来る! 「あぶねぇ!」
「ちっ!」間一髪、両手でバットを掴む! ひりひりとした痺れる痛みと衝撃が手を通して全身に伝わる「ばっちい手で
「答えろ、なんで俺を狙う!」
「そんなのフォロワー稼ぎに決まってんじゃん! カモ高の
「そんな・・・くだらない理由で!」やっぱりヤンキーは頭のイカれた害悪だ! 怒りともにバットごと押しのけ、顔面目掛けてパンチを繰り出す。
しかし全てバットで防がれる。どんなに速く繰り出しても、正確にバットの中心に当たってしまう。なんて精度だ、無駄な動きが一つも無い・・・それでもひるまず攻め続けるが、パンチを繰り出す前に腹にバットのスイングを喰らってしまった。
「がはっ・・・!」
「ざこいねぇ~キミ」誰が雑魚だ! 煽った隙をついて頬にパンチを喰らわす事が出来た。「ぐっ・・・!」
今だ! 倒れた瞬間そのまま胸倉のシャツを掴んで追撃に出る。顔面にパンチを入れようと拳を構えた時だった、「きゃあ・・・」悲鳴にも似たか細い声を発して咄嗟に腕で顔を覆った。
「うっ!」そのまま振り下ろすはずだった拳がピタッと止まり体が動かなくなった。
「ば~か」足で腹を蹴られて引き剥がされた。「こんな子供だましに引っかかるんだ~紳士ぶってんじゃねぇよ!」なんで一瞬躊躇したんだ、相手はヤンキーだぞ! 「ほ~ら。殴って見ろよ」頬を指さして挑発してくる。
「な、舐めんなよ・・・」起き上がって拳を構えるが、何処か躊躇してしまう。
「舐めてるよ、ヤンキーのくせに殴れないんだもん」
「俺はヤンキーじゃねぇ!」
「じゃあ何? 陰キャって呼んだ方がいい? それとも雑魚って呼んで欲しいの?」
「黙れ!!!」なんで動かないんだよ! 動けよ! この女の顔面を一発ぶん殴って・・・やりてぇのに拳が前に突き出せない。一気に気が抜けてその場で地面に膝を着いてしまった。「無理だ、出来ない・・・」
「は? つまんな、戦意喪失って奴?!」バットを肩に担いで近づいて来る。
「どうしたの日脚君?! 何で急に戦いをやめて」
「女殴れなくて、落胆しちゃったんだよね~雑魚くん」屈辱にもバットの先で頬をぐりぐりされる。「早く学生証出せよ、自分で放棄したんだから差し出せよ」
「・・・・・・」けどこんな奴に学生証を渡したくない、渡せば自分がヤンキーに服従したという
「意地でも渡さないつもりなんだ・・・じゃあ仕方がない、おい横の会長! 有り金全部よこせ! そしたら今日のとこはこれぐらいにしてやるよ」
「お、お金なんて500円玉しか持ってないわよ!」
「嘘つけ! さっき5000円ヤンキーから盗ったって言ってたじゃない!」
「5000円も持ってないわよ! ホントに500円玉しか持ってないし、あったとしても絶対に渡さないし!」
「へぇ~そう、状況が分かってないみたいだね・・・
「おい、会長は関係ないだろ!」背に腹は変えられない、会長が危険な目に会う前に呼び止める。「持ってけよ・・・」ポケットから財布を取り出して差し出す。
「ふ~ん」すぐに盗られて中を物色し始めた。「意外と持ってるじゃん。こっちの方が面白そうだな」財布をカーディガンのポケットにしまって、俺のネクタイを強引に引っ張り立たせる!
「お、おい、何しやがる?!」
「ちょっと日脚君をどこに連れて行く気よ!」
「今からコイツの金が無くなるまでカラオケ楽しむんだよ!」か、からおけ?! どういう事だよ! 「そしてその様子をLIVEして、私がこの雑魚処したってネットに流してやるんだよ」
「もう渡したからいいだろうよ!」訳の分からないまま無理やり店内へと連れ込まれてしまう・・・
「わ、私の日脚君に変な事したら承知しないかね! てか、私はこれからどうすればいいのよ?!」
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