第十四話! 蛇と山の山担当は中学まで相撲の世界にいた! 相撲部屋の親方と織が合わず高校進学と共にヤンキーの世界に入った! 100キロを超える巨漢と剛腕で数多のヤンキーを病院送りにした!

 「偉そうな事、言いやがって!」キモロン毛が懐から棒みたいなものを取り出して、襲い掛かって来て、喧嘩が始まった。


 コンビニの駐車場、狭くはないが広くもない。唯一車が一台も止まっていないから、安易に避けられる。


 「オイもいることを忘れんな!」避けきったタイミングを見計らってスモウデブが襲い掛かって来る。


 「もうその手は通じなァー!」あの金髪真澄のように手にパンチを喰らわそうとするが、全く効果がなかった。それどころかパーで掴まれてそのまま壁まで押されてしまった。


 「オイをデブと見て甘く見ただろ!」そんなつもりはないが、その巨体が邪魔で抜け出せない。「これで終いだ!」俺の顔目掛けて巨大な平手を打ち込んで来る!


 「あぶね?!」間一髪、頭を右に避けて平手はそのまま後ろの壁にめり込んだ・・・嘘だろ?! いや嘘じゃない、コンクリの小さな破片が肩にポロポロ落ちてくる。


 「良かったな、ギリで避けて」高校生の腕力じゃないだろ! 引き抜いて反対の腕でもやって来るが、こんなの喰らったら今度こそマジで終わる! 両脚を宙に浮かせ、コイツの腹に思いっきりドロップキックをお見舞いする。


 「離れろデブ!」キックは命中し、少しだが後ろに動いた。


 「俺がいる事を忘れんな!」


 「ガハッ!・・・」キックの隙を付かれてキモロン毛に頭を殴られた。


 「アレで決めるぞ、翔!」


 (!闘魂技発動! !)


 髪と襟を掴んで無理やりデブのいるところまで地面を引きずられ「任せろ! 明知兄上!」放り投げられ、デブの巨体がに降って来た!


 「ガァァァァァァァ!・・・」背骨が折れたんじゃないかってぐらい激痛が走った・・・


 「これが東高最強コンビの一角」


 「じゃ!」


 「く、クソが・・・」ほ、ホントに下半身の感覚が無い程痛くて起き上がれない。 


 「3年と真澄をシメた、カモ高の線香花火日脚もわしら兄弟には遠く及ばんな」


 「だな、兄上。しかし噂に聞くヘタレだが、それ以上の大ヘタレだな。ハハハ!」


 ふざけた野郎どもが! 今に見てろ・・・ここで起き上がって脳天勝ち割ってやる! 「ふけ顔が、今から病院送りにしてやる」


 

 「無駄じゃ、蛇と山を喰らった奴は、2日は起き上がれん」


 「うるせぇ!」動けよ、俺の体! こっから這い上がってみろよ! 必死に起き上がろうとした時だった。


 「コンビニ前でたむろしてる不良ども! 今すぐ解散しなさい!」サイレンと共に1台のパトカーがやって来た。


 「ちっ、サツじゃ! おい逃げるぞ!」キモロン毛の掛け声でたむろしていたヤンキーどもが一斉に走り去って行った。


 「待て・・・クソ!」今やっと起き上がれそうだったのに。一瞬で駐車場がもぬけの殻になった。


 「そこのキミ! 大丈夫そう?」パトカーからスピーカーで俺に話しかけてきた。


 「後ちょっとでアイツらシメたのに・・・邪魔すんなよ!」


 「なんだその態度は、逮捕するぞ」


 「あぁやってみろよ!」完全に起き上がってパトカーに向かって中指を立てる。


 「軽はずみで出た言葉は自分の身を亡ぼす、そこの飲み物でも買って頭を冷やしなさい」そう言ってサイレンを消して走り去って行った。


 パトカーに救われたなんて思わないからな、俺はコンビニに入る。中は店員以外人がいない寂しいコンビニ。儲かっていないのか、所々商品が陳列されていない。品揃え悪いな。


 「あんたみたいな不良がいるからでしょ!」うわびっくりした! 突然レジからおばちゃんに怒鳴られた。「毎日毎日店前でうんこ座りでいられちゃ、客なんか来ないのよ!」


 「俺に言われても困りますよ・・・学校違うんで」


 「うるさい! さっさと買うもん買ってどっか行きあがれ!」ヒステリックに喚くババァを尻目に鮭おにぎり2個とペットボトルのケシコとグミを買って足早に店を出て。


 あのババァヤンキーよりも怖えぇ、相当東高に悩まされてるんだな・・・もう行きたくねぇな。




 同日 午後14時50分 3階 生徒会長室 


 6時間目が終わると駆け足で生徒会長室へとやって来た。と言うのも、リクトモで来るよう指示があったんだけど・・・早かったのか鍵が閉まってる。


 せめて開けといてくれよ。会長の教室同じ階なのに・・・


 「ヤッホー日脚君」会長が人を連れて陽気にやって来た。


 「早く開けてください」


 「聞いたよ、日脚君。コンビニアッとホーム行って買い物したんだって?」扉が開いて中に入る。


 「もう噂広がったんですか・・・」


 「1年がケシコのペットボトル持ってるって、大騒ぎだったんだから」そういえばメチャ飲みたそうな目で見られてたな。やっぱみんなケシコ好きなんだよ!


 「ところで・・・横の人だれですか?」動物が抱き付いてくる風船みたいにずっと会長の腕にしがみついてる。


 「あぁこの人はね3年の月美つきみ先輩。先輩怖くないですよ・・・あのヤンキー私の忠実な下僕なので気概は加えません」今俺の事下僕って言わなかったか?


 「・・・美術部の部長をやってます」顔をも向けないで素っ気なく挨拶された。


 「どうも、1年の日脚です」背は会長より少し高く、無造作に腰まで伸びた黒い髪でずっと会長に顔を向けてる。右手にヘアバンドがちらちら見える。「それで、なんでその人いるんですか?」


 「実はね、先輩の護衛をして欲しいの」


 「護衛?!」


 「先輩はね、今コンテストの為に絵を書いてるんだけど、その絵に使うある絵の具が切れちゃってデパートイデヨカまで買いに行ってくれる?」


 「絵の具ぐらいなら借りればいいじゃないですか。それに買うだけなら通販でもいいじゃないですか」


 「それがそうもいかないの。ちょっと特別な絵の具でね・・・なんて名前でしたっけ先輩?」


 「山崎のマゼンタ#e4007f M897」


 「なんか特別な絵の具らしくて、イデヨカにしか売ってなくて、しかも今すぐ使いたいんだって」


 「えっと・・・了解です」考えたら負けだ「じゃあ会長行きますか」


 「私は行かないよ」


 「え? なんで」


 「生徒会長は学校のパシリ。やる事が溜まってるの」そう言うと無理やり月美さんを腕から剥がす。


 「2人・・・で行くんですか」なんか俺この人嫌だ。全然目合してくれない。


 「しっかり先輩守るんだよ、日脚君!」仕方ないな・・・俺は月美さんを連れて正門前まで案内する。

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