#043 スライムが仲間になった
[スライムが仲間になりたそうにしている。クランに加えますか?]
(もちろんYes!)
[スライムをメンバーに登録しました。固有スキル【擬態】を付与します]
■■クラン Lv2■■
【メンバー】 6/10
ミドリ Lv17
コレット Lv18
ラプタ Lv10
マリー Lv20
フーコ Lv21
スライム Lv1
■■ステータス■■
名前:未定(年齢性別不明)
種族:スライム
Lv 1
HP 3/3
MP 2/2
固有スキル:擬態 Lv1(※New)
スキル:捕食 Lv1
念話で話しかけてみる。
『名前はスラリンだ』
『ぷるぷるー』
スラリンはプルプルと震える、言葉は話せないようだが言ってることは理解してるっぽい。
「うわー。ぷよぷよしてて気持ちいいよ」
コレットはスラリンの感触が気に入ったのかスラリンを抱きしめる。
「スライムを仲間にしてどうするのかしら?」
マリーは不思議そうな顔をしている。スライムを仲間にしても役に立たない、それがこの世界の普通の反応なのだろう。
「スライムでもレベルを上げれば凄く強くなるはず」
「初めて聞く知識ね。誰に教わったの?」
「本で読んだんだよ、どの本だっけ?ちょっと忘れた」
前世のラノベの知識なので嘘は言っていない。とりあえず別のスライムを見つけてスラリンをけしかけてみる。
「いけ!スラリン」
「ぷるぷるー」
スラリンはピョンピョンはねながら別のスライムに接近し、ポカと体当たりをする。相手のスライムもスラリンにポカっと体当たりをする。そこから泥仕合を展開すること5分、スラリンの動きが鈍くなってきた。
「負けるな、スラリン!」
ミドリがスラリンを応援した瞬間、相手のスライムが震えるとバッと風呂敷状に広がりスラリンを包み込んだ。そして波打ちながら徐々に元の形に戻っていく。その光景を皆がジッと見つめていると、相手のスライムはプっと魔石と銅貨を吐き出した。コロコロと転がる魔石、コレットが震える手で指刺しながら。
「うわーん、スラリンが食べられちゃったー」
「やっぱり弱いじゃない」
涙目のコレットとジト目のマリー。一方ミドリは前世のオンラインゲームで廃プレイしていた時の気持ちを思い出したのか、今までで一番の笑顔で言った。
「次のスライムをテイムしよう」
◆◆◆
4日後。ミドリたちがスライムを狩り続けた結果、約50匹を狩れば1匹は仲間になるということが分かった。2%の確率、最弱の魔物にしてはかなり渋い設定だ。そして今、仲間になった8匹目のスライムが別のスライムに【捕食】された。
「惜しかったな」
「惜しかったじゃないよぉ。スライムが可哀想だよー」
コレットが涙目で言った。名前をつけるから感情移入しやすいのだと考えて途中から適当な名前を付けたのだが、やっぱりスライムに感情移入してしまうようだ。可愛いからなスライム。
「さっきのスライムは3回連続で勝てたんだ。あと少しでレベルが上がって波に乗れる・・・と思う」
「そんなこと言って、スラリン、スラボウ、スラキチ、スラタロウ、スラジロウ、スラサブロウ、スラシロウ、そしてスラゴロウも食べられちゃったわね」
「ぐぬぬ。お願いだからもう少しだけ付き合って」
『主、どんどん名前の付け方が雑になっていってる気がするぽ。もっといい名前を付けてあげるぽ」
『がん、ばれギャ』
なんだかんだ言ってミドリが仲間に無理をいうのは珍しいことなので付き合う2人と2羽。そして9匹目のスライムを仲間にする。
[スライムをメンバーに登録しました。固有スキル【耐性】を付与します]
「あれ?いままでと固有スキルが違う」
■■ステータス■■
名前:未定(年齢性別不明)
種族:スライム
Lv 1
HP 3/3
MP 2/2
固有スキル:耐性 Lv1(物理小)(※New)
スキル:捕食 Lv1
スキル:幸運 Lv1
今までスライムに付与された固有スキルが【擬態】だったので、種族で決まってるものだと思っていた。このスライムは新たに得た【耐性】スキルと元から【幸運】というスキルまで持ってる。レア個体にちがいない!こいつならいけるかも。
「やっぱり厳選は大事だな」
厳選というハマるとどこまでも沈んでいく底なし沼のような単語を口にするミドリと、単語の意味が分からず首をひねる2人と2羽だった。
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