廃プレイで逝ったおっさんは異世界を楽しみたい

#002 クランとクラフト

　おっさんが転生して三か月が経った。

　「おぎゃ。おぎゃ」

　転生をしたものの今は泣くしかできない。

　腹減った。誰か気づいてくれ。

　「▽〇◇△▽〇◇△▽〇◇△」

　しばらくすると女性が抱っこしてくれる。穏やかな雰囲気の女性で優しくあやしてくれる。凄く落ち着く。これはママだ。ママに違いない。おっぱい揉んどこう。

　（すんごい柔らかい！！）

　おっぱいを吸いながら考える。　

　ようやく目が見えるようになってきた。ママは魔法少女のような桃色の髪で、本当に異世界に転生した実感してしまう。

　しかしやることないので暇だ。魔力とかあるのだろうか。

　（今こそ俺の中の可能性を解き放つ時。魔・力・解・放！！！）

　・・・・・。

　なにも起きないね。しばらく赤ちゃんプレイに徹しよう。

◆◆◆

　転生して一年が経った。

　「まま。まま。おっぱーおっぱー」

　「はいはいミドリちゃん、おっぱいですよ～」

　この世界の言葉も何となくわかるようになった。俺の名はミドリというらしい。ハイハイで移動できるようにもなった。家のことも少しずつ分かってきた。

　パパは仕事が忙しくてめったに見ない。

　兄が3人いるが、たまにしか見ない。

　使用人がいるので少なくとも貧乏ではない。

　魔法っぽいものがあるけど詳しいことは不明。

　とりあえずあれから試してみよう。

　「すてーたす！」

　■■ステータス■■

　名前：ミドリ（1歳男）

　種族：人間

　Lv 1

　HP 4/4

　MP 3/3

　固有スキル：クラン Lv1（スキル付与）

　あってよかったステータス。赤ん坊スタートだからレベル１。そして【クラン】という固有スキル。これは・・・（ごくり）女神様が言ってた特典スキルっぽい。

　「くらん！」

　■■クラン Lv1■■

　【メンバー】 0/5

　　なし

　これはあれだ。ゲームによってチームとか同盟とか呼び方はいろいろ。他のプレイヤーと群れを作って一緒に頑張りましょうというシステム。メンバーはまだいない。

　寂しいけどこれからだ！

　ボーン♪

　効果音と共に確認画面が現れた。

　[ミドリをクランに加えますか？]

　クランの最初のメンバーは自分というわけか。

　(Yes)

　[ミドリをメンバーに登録しました。固有スキル【クラフト】を付与します]　

　■■クラン Lv1■■

　【メンバー】 1/5

　　ミドリ Lv1

　よし自分を登録できた。

　「もういちど、すてーたす！」

　■■ステータス■■

　名前：ミドリ（1歳男）

　種族：人間

　Lv 1

　HP 4/4

　MP 3/3

　固有スキル：クラン Lv1（スキル付与）

　固有スキル：クラフト Lv1（Fランク作成）（※New）

　クランのメンバーになると固有スキルが増えるのか。これは強力なスキルだ。そして新しい【クラフト】というスキル。

　「くらふと！」

　■■クラフト Lv1■■

　【素材】

　　MP 3

　【設計図】

　　なし

　きたきたきたー。

　前世でやってたゲームを思い出す。素材と設計図を集めて物を作るやつだ絶対。また寝ずに素材集めしちゃう予感！もってくれよ、この体。

　次々と目の前に現れる画面は他の人には見えていない。指で操作しなくても意識するだけで操作できるのは凄く楽しい。前世の漫画やラノベであった未来のVRゲームみたいだ。

　（女神様ありがとーー－－！！）