スペアでさえなかった

あの人達は僕のことを、それこそ野良猫が勝手に家に住み着いたくらいにしか思っていなかったらしいんだ。


だから僕は自分自身のことさえ大切だとは思っていなかった。


僕をこの世界に送り出した張本人であるはずの両親が僕を必要としていなかったんだからね。あの人達にとっては兄さえいればよかったみたいで、僕はそのスペアでさえなかったんじゃないかな。


兄にもしものことがあった時にひょっとすると僕を見てくれたかもしれないけれど、あの人達は兄のことさえ、


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くらいにしか思ってなかったみたいなんだよ。


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