道具が壊れれば
両親にとって<子供>は、自分達の老後に備えたヘルパーどころかただの道具だったのかもしれない。だから道具が壊れれば次の道具を用意するだけのつもりだったんだろうな。
僕はそのための<予備>でしかなかった。
もっとも、兄も大学に進学してからはほとんど家にも寄り付かず、大学を卒業してからはそれこそ、
「アーティストになる」
とか言っていきなり海外渡航してしまったり、かと思うとすぐに飽きていつの間にか 帰国してたり、でもそのことについて両親にも何を話さないから、事実上の消息不明状態だった。
兄がそんなのでも両親が僕にすり寄ってくるような感じじゃなかったから、よっぽど僕のことが嫌いだったんだろうな。
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