達の手記

自分がここに生きていることを

本当に、相手が人間だってことを認めるのが大事なんだっていうのを僕は実際の経験で学んだよ。相手が人間だって認めれば、できることもできないこともある程度は絞れるし、何を望んでるかもいくらかは絞ることができるんじゃないかな。

沙奈子（さなこ）は結局、自分がここに生きていることを認めてほしかったんだろうなというのを感じたし、実は僕自身もそうだったんだなっていうのを、沙奈子や絵里奈や玲那との交流の中で思い知らされてきた。

僕自身、実の両親からは、

＜家に勝手に上がり込んだ野良猫＞

みたいな扱いを受けてたしね。そういうのも背景にはあると思う。