同じ<人間>だから

『自分の血を受け継いだ人間を育てる』


それを素直に受け止められない人もいるんだろうけど、もしかしたらそういう人の方が多いのかもしれないけど、僕はむしろワクワクする気分さえあったんだ。


沙奈子さなこが僕の部屋に捨てられた時には呆然ともしたのもありつつ、『とんでもないことになった』と思ってしまったりしたこともありつつ、でもその経験を経たからこそ、今は自分の子供を育てられるという機会が素直に嬉しいというのもあるんだ。沙奈子との経験が活かせるという予感もあるし。


もちろん、僕のところに来た時点で沙奈子は十歳だったから赤ん坊じゃなかったとはいえ、同じ<人間>だから。


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